コンタクトレンズトライアル中

 先延ばし、先延ばしの俺だけれども、たまには早く動くこともある。土曜日に、眼科へ行った。この歳では珍しいのか、「まったくのはじめて」に意外な顔をされた。それとも面倒なだけか。たしかに面倒をかけた。眼圧、検眼。軽い乱視があると言われた。乱視ってなんだっけ? 乱視用のレンズもあるが、普通レンズの度の強さで矯正する方法もあるとかなんとか。よくわからないのでハイ、ハイ、答える。一発目のレンズ入れてもらう。ソフトの使い捨て、あまりの使用感の無さに驚く。待ち時間、三十分くらい待合室にいたっけ。忘れられたかと思う。また検眼、ダブる。もう一段度を上げるか、乱視用を選ぶかと言われる。ハイ、ハイと答える。ここのところ土日も仕事に出ずっぱりで、疲れてくる。待ち時間に寝たりする。検眼、コンタクト初装着の違和感より、目の疲れ。度の問題というより、目の疲れで見えないようになる。でも、なんとか言わなければ、ここをクリアしなければ。ゆっくりでもいい、といわれる。すごいプレッシャー。申し訳なく思う。もう、見えたことにしてくれ、俺が正しく答えたということにしてくれという気持ち。何とか乗りきったのかどうか、度上げパターンと乱視用両方トライアルという話になって、それでまたお医者さんに見てもらう。よく話が通っていないのか。乱視用の方がクオリティが高いとかいわれて、ハイ、ハイ言う。それで待合室に戻って、支払いになって、次にコンタクトの店となっている階へ行く。装着練習。ここで両方試すはずだが、医者とのやりとりで乱視用のみになっていると言われ、もう、来てからかなり時間も経っているし、土曜の昼の受付時間も終えたところだし、後ろにもう一人待っているお客さんもいるので、乱視用のみでいいですという。装着も早くこなさなければと緊張しながらやる、なんとかやってみせた。正直、度が弱い。このレンズを注文するわけにはいかない。日常生活は送れるが、ちょっと厳しいものがある。作りなさなければいけない。しかし、また何時間も検眼を繰り返すかと思うと、このままばっくれてしまおうかとも思う。