誰も知らない深夜の交代劇(と、思っていたのだけれど)

http://www.sanspo.com/baseball/top/tig200709/tig2007091004.html

 (セ・リーグ、巨人8−9阪神=延長十回、21回戦、阪神12勝8敗1分、9日、東京ドーム)三塁ベンチにあるホワイトボード。野手の欄には捕手の『野口』しか残っていなかった。岡田監督が文字通りの総力戦を敢行。5時間を超える死闘を“全員野球”で勝ち獲った。

 俺はこの試合、ラジオで聞いてたんよ。もちろん俺は赤いヘルメットのチームのファンだから、どっちに肩入れすることもないけれども(生来のアンチ巨人でもあるけれども、阪神もいろいろあるからなあ)、ただ、飯作ってる間なんとなく聞き始めて、ちょっと飯食ってテレビ見て、それでまたラジオ聞きはじめたら、まだまだ先長そうな展開でさ。シーツがイ・スンヨプの足を踏んだとか、そんなんもあってさ(実況を聞く分にはわざとの線が濃い感じだけど、シーツの性格を考えるとな。その前に伏線があったのだろうか)。
 それで、もう、十時半を回ったころ、急に乱れたんだよ、TBSラジオの実況アナウンサーの声が。だんだん、ではなく、急になんだよ。最初は一時的にむせただけかと思ったんだけど、声しゃがれて出ない上にセキ止まらなくてね。解説の田淵幸一も頑張ってフォローよ。ここらあたり、タブチくんよ(いしいひさいちの四コマに、実況アナの方が野球に詳しくて、解説と実況交代してしまうネタがあったっけ)。でも、アナウンサーの方も、「わた……くし、六時間の試合を実況した経験もありますから! ゲホゲホ」と強気なのよ。阪神のリードでマウンドへは藤川球児。その時、世界で一番藤川を応援してたのは、このアナかもな。
 ああ、しかし、考えてみりゃ、四時間半もしゃべり続けてりゃ、さすがに訓練されたアナウンサーでも負担はあるよなって。単にしゃべるだけじゃなく、要所要所では大声出さなきゃならんし、ラジオだけに明かなファウルにもちょっと騒ぐくらいのことは要求されるかもしれないしな。
 ……とか思っていた、十時三十九分、その時、歴史は動いた。急に入ってくる別の声。かすかに聞こえるセキの声。なんと、実況アナ降板、交代。うへえ、初めて聞いたぞ、こんなの。代わって出てきたのは土井敏之アナ。冷静にその場の状況と試合経過を伝え、タブチもとくに触れず……。
 いやいや、エキサイティングだったぜ、TBSエキサイトベースボール。俺の赤いチームも、こんな長丁場のしびれるシチュエーションでの試合、いつかやってくれよな。

追記:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070910-00000002-ykf-ent

興奮しすぎた!? 実況アナ前代未聞の途中降板

 おお、Yahoo!のトップに。「インターネット上も“お祭り騒ぎ”」だったとは知らなんだ。やっぱみんな野球のラジオ聞いてるんだな、野球ファンとして安心、安心。俺も激励だよ、よくやった、よくやった。