AI審判は電気駱駝の夢を見るか?

悪酔いしてウトウトしていたら、なにやらワールドカップの開会式が始まった。そのままだらだらモーガン・フリーマンなど見ていたら、試合が始まった。せっかくだからちょっとだけ見るかと思った。

そうしたら、すぐにエクアドルカタールから得点した。と、思ったら、オフサイド判定でノーゴール。リプレイ見てもよくわからんが、おれがサッカーを見る人ではないからわからないのかと思う。しかし、実況も解説も「よくわかりませんね」という感じなので、Twitterなど見てみると、「中東の笛」とか書かれている。いや、そういうものがあるにしても、今のはやりすぎなんじゃないかなー、と。

と、しばらくしたらCGでちょっぴりエクアドル選手の足が出ているのが表示される。なにこれ? と、思ったら、実況が「セミオートメーテッド・オフサイド・テクノロジー」について説明し始めた。

 

【W杯】オフサイド感知新システム、開幕戦でいきなり発動 幻の大会第1号に「正確すぎる」 - カタール2022 : 日刊スポーツ

この「セミオートメーテッド・オフサイド・テクノロジー」は、公式球「アル・リフラ」の中心にチップが埋め込まれており、スタジアム内に設置された12台の高性能カメラが選手1人1人の位置を正確に確認。これによりAIがオフサイドと判断した場合は、ビデオ・マッチ・オフィシャル(VMO)のいるオペレーションルームへ連絡が入るシステムとなっている。

いやはや。

でもまあ、そういうシステム自体に驚くべきでもない。なにせ、サッカーボールよりさらに小さい野球のボールの回転数を測定できるし、そのシステムも元はもっと小さなボールを使うゴルフのための装置だったはず。

野球なんかは、もう球審が機械化されるのも目の前だ。ストライク、ボールの判定、ハーフスイングの判定、できるだろう。

ただ、野球はいったん止まりつつのスポーツだ。その点、サッカーは動きつづける。そのへんが違う。と、思ったが、しかし、得点なんて重要なシーンについては止めてやるのが筋だし、何十点も入るスポーツでもないのだからそれでいいんだろう。

でもなんだろうね、このままいくとファウルの判定とかまでやるようになるんだろうか。足が当たってる、当たってないなんてのは正確に判定できるだろう。ただ、当たっていたとしても、試合を止めるか、アドバンテージをとって流すのか、カードを出すかどうかとか、そのあたりはどうなんだろうね。いや、学習させればできるのだろうな。どうかな。

そうなると、ピッチの上を走り回る「人」は必要なんだろうか。場内アナウンスなんて聞こえないだろうから、AIの判定を伝える役は必要か。それとも、ドローンがやるようになったり? いまいちピンとこない。

野球にしたって、ストライク、ボール、アウト、セーフの判定をAIに委ねても、コールする人間は必要かもしれない。でも、みんな慣れてきたら、それも機械化されるかもしれない。

いずれ、スポーツの場から人間の審判はいなくなるのだろうか。それとも、スムーズな試合進行のためには人間がずっと必要なのだろうか。まったく、わからん。でも、機械が小さく、安価になっていけば、たとえば草サッカーや草野球、草その他スポーツでもトッププロと同じレベルの審判つきで楽しめる日が来るかもしれない。それはそれで悪くないのかもしれない。

なんか、とりとめなく、そんなことを思った。そんだけ。