ヘビとリス相討つ

 横須賀美術館の裏山への道すがら、なにやら鳴き声が聞こえてきました。あまり聞き慣れない鳴き声です。鳥の声でしょうか。
鳥かと思って樹を見れば、リスがいました。

あれ、何か見つけたのかな?

尻尾を太くして素早い動き。

樹の下に居たのはヘビ! きっと、樹の上のリスの巣の中の卵と雛を狙っているに違いありません。

蛇栗鼠双睨図。

「おまえが、こんな事をしたので、おまえは、あらゆる家畜、あらゆる野の獣よりものろわれる。おまえは、一生、腹ばいで歩き、ちりを食べなければならない」と、リス。

「……」

 
 ……この勝負の結末や如何に? って最後まで見届けられなかった。わたしたち以外にギャラリー一家族、結構長く野次馬していたが、終わる気配がない。ヘビは樹を登るようなそぶりを見せ、それを樹上から威嚇して止めるリス、という攻防。たまにリスがターッと樹を駆け上り、別の樹に飛び、後ろを取るシーンもあったけれども、ヘビにすぐに気づいて鎌首の向きを変えるだけ。何度か近づきすぎたリスにヘビが飛びかかったりしたけれど(写真に撮れていません)、決定打にはならず。だいたい、ヘビには咬みつきや締めつけという武器があるけれど、リスには尻尾の威嚇があるばかり。ハブ対マングースがどう決着するか知らないけれど、この野生の戦いは時間無制限、決着ルール不明。果たして、リスは巣を守れたのか、ヘビの餌食になったのか、それともたまたま散歩していたヘビを、血気盛んなリスがディスっただけだったのか?