一難去ってまた一難

 こないだ退去したのとは逆隣(逆鱗、みたいに見える)の部屋。これが、ここ一週間くらい、まったく無人の気配。ひょっとしたら、あっちもどっかに行ったかと思って、心底、心晴れ晴れとする、最高の日々を送っていたのだけれど、なんか一昨日から帰ってきたみたい。しかも、昨夜、テレビの音がうるさい。アニメか特撮かわからんが、台詞が重低音で聞こえてきて、さらに爆発音みたいのがどっかんどっかん。十二時過ぎでひどかったので、カベをノックしても反応無し。そのまま寝ようかと思った一時十七分、さらに音量をあげて大爆発。うとうとしていたのに目がはっきり覚めた。ガンガン壁を殴って、静かになった。これはもう嫌がらせだろう。こっちが寝たころになって、わざと大きな音を出しているのだろう。まともな人間なら、自分のテレビの音が大きすぎて人に迷惑をかけていることぐらいわかっているはずだ。かつて大家から注意だってされているのだ。それで、わかった上で、音を下げるなり、ヘッドホンをしたりするはずだ。しかし、それをしない。しないどころか、逆にボリュームを上げる。隣のオカマは、俺に殺されてもいいと思ってるし、俺を殺すことになってもかまわないと思っているに違いない。俺に嫌な思いをさせることが目的の、常識の欠如したクソ野郎だ。今までの習慣から、日曜の夜も音を出す。許し難いが、どうしていいかわからない。無力だ。これもすべて、こんなところに住むしかない貧乏がいけないのかもしれない。隣家と距離のある一戸建てに住めないのが悪い。両隣の部屋を借り上げることができない貧しさが悪いのだ。