『3』キリンジ……というか「エイリアンズ」について

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 たまにラジオから流れる曲の気になるものがとうとう多いに気になって仕方ないので調べた結果、キリンジの「エイリアンズ」という曲なのであった。キリンジコブクロケツメイシ、このあたりはいずれ解体していかなければと思っていたけれど、キリンジなのであった。
 エイリアンズはかなりの名曲だと思った。職場のラジオではろくに歌詞が聞き取れず、ほぼメロディによって好きになったのであった。「エイリアンズ」という単語すら認識できていなかったのであった。しかし、歌詞もまたすばらしいのでよかったのであった。
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND48437/index.html

遥か空に旅客機 音もなく
公団の屋根の上 どこへ行く
誰かの不機嫌も 寝静まる夜さ
バイパスの澄んだ空気と 僕の町

どこかで不揃いな 遠吠え
仮面のようなスポーツカーが 火を吐いた

 旅客機は「ボーイング」と歌うのだった。それはともかく、わかるだろうか、この郊外感。僕は郊外感のある音楽が好きなのだ。僕の好きなsuedeも郊外感溢れるバンドだった。しょっちゅう"blue suburban deram"とか歌ってたのだった(「stay together」と「everything will fllow」)。あと、くるりの「ハイウェイ」(とそのPV)なんかもそうなのだった。それと、大好きな中谷美紀の「クロニック・ラブ」も郊外の曲というイメージになっているのだった(歌詞の中の「サテライト」という単語、人工衛星じゃないと意味は通じないが、俺は衛星都市でロックされのだ)。
 なんで郊外がいいのかというと、自分でもよくわからない。かつて暮らした鎌倉も、今住んでいる山手も、どうも自分がイメージする郊外ではないのだ。だから、郷愁ではないのだけれど、どうも郷愁に近いような感傷があるのだから不思議なのだ。夜の郊外(のイメージ)に感傷的になるのだ。人気のない、郊外の道路だ。バイパスだ。だからこの歌ときたら、ツボなのだった、実に。違和感、疎外感、エイリアン。わかるかい、わからんわい。