元鎌倉市民が読む『青い花公式読本』〜井汲家宅/澤乃井家宅所在地研究〜

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 『青い花公式読本』を購入。私はあまり金のある方ではないので、アニメは見ても、関連商品を買うということは避けている。が、しかし、『青い花』は別だ。見ていただきたい、この日記のデザインを……、 あれ? いや、ちょっと前までは『青い花』テイストにしていたのだけれども。まあいい。ともかく、私は『青い花』にも相当いかれているので、読本も買う。買って、読んで、元鎌倉市民として一言ガツンと言っておきたくなることもある。うそ、だいたい、すごい面白かった。でも、ちょっとだけ。

巻末マップ


 まず、こちらをご覧いただきたい。公式読本巻末のマップを、Yahoo!マップの当該箇所に重ね合わせたものである。マップは、ケータイで撮ったものを加工したため、正確な比率を保っていなかった。重ね合わせるさいは、Yahoo!マップの片瀬山駅西鎌倉駅の位置に合わせた。ちなみに、私の失われた実家も載せてみた。
 まず、湘南モノレール主義者として一言言いたい。たかだかこのくらいのことを、誤植として論うわけではないけれども(論ってるわけなんだけれども)、鎌倉山を通るモノレールのラインが間違っている。公式読本マップの迂回路は、鎌倉山を通る自動車道のものである。なるほど、ほとんどの区間を通してモノレールは車道の上を通る。が、しかし、鎌倉山はトンネルを通過するのだ! どうだ、参ったか! いや、誰が何に参るのか、いまいちよくわからないのだけれども。

●井汲さんの家の方へ

 それはともかく、井汲家の位置に注目していただきたい。この地図を見たとき、私は、思わず「よし」と快哉を叫んだ。私が推測した位置と、おおよそ合っているではないか。再掲しよう。


 ところで、この坂の途中には、アニメ『青い花』第三話において、井汲京子さんが歩いた舞台ではないかと私が推理した道がある。ここがそれである。背後には高級住宅街がひかえている。さあ、どうだろうか。ただ、この場所からでは、深沢に行くには山を越えねばならず不可能、西鎌倉に行くにしても、少し遠いのが実情である。もしも駅まで走り続けるならば、井汲さんはかなりの健脚といえるであろう。

 やはり、井汲さんは西鎌倉の方、鎌倉山の方の住人であった。公式読本で確定したのだから、これは確定である。原作の四巻までいっさいモノレールが描かれていないとはいえ、これは確定なのだ。今後、モノレールシーンが志村貴子先生の美しい線で描かれると思うと、私の期待は高まるばかりである。

澤乃井さんの家の方へ

 そして今回、澤乃井家の位置も明らかになった。地図を見たときの第一感は、驚きであった。「これは、片瀬……? いや、違うぞ、片瀬山駅の位置と合わない! これは、西鎌倉だ!」。これには少々驚いた。二つの驚きがあった。
 まず一つ。どこぞに別荘を持っているお金持ち、名家というと、たとえばこないだの日曜日うろついた、平山郁夫邸のある二階堂のあたりではないのか? などと思っていたからである。それが、比較的新興地域である藤沢との境付近に設定された、ということ。
 もう一つは、片瀬の住宅街ではない、ということである。それよりも、明らかに東に寄っている。
 さて、次に、なぜ私は片瀬と思ったのだろうか。ここでひとつ、最近の神奈川新聞の記事を引用しよう。

 特徴は「死角」をつくらなかったことだ。約1600世帯の片瀬山地区は、高台にある閑静な住宅街。北部に緑地が広がり、西側には河川が流れる。
 「自然の擁壁」に仕切られた同地区に入る道路はわずか8本。ここに計11台のカメラを設置した。チームの一員、佐藤英樹さんは「下から上がってくる車など、すべてをとらえることができる」と話す。

カナロコ|神奈川新聞ニュース

 この自然の要衝、監視カメラが部外者の侵入を厳重に監視する、片瀬地区。片瀬山入口から片瀬中にいたる両脇にひろがる住宅街。私は藤沢まで徒歩ないし原動機付き自転車で通っていた時期もあったが、たまにこのあたりを通ってみれば、一軒一軒のでかさにおののいたものである。このあたりは、モノレール片瀬山駅以北の斜面、ようするに、わが家の付近とは雰囲気もサイズもちがう。許嫁などというものが存在するなら、あのあたりか? という推測だ。少なくとも、私にはあのあたり、そして、片瀬山駅のトンネルをくぐり、湘南白百合のある方に対しては、そのようなイメージを持っていた。新しく、でかい、住宅街。

 一方で、同地区が含まれる片瀬地区は、65歳以上の占める割合が24・0%(09年4月現在)。市内13に分かれた地区の中で最も高齢化率が高い。さらに片瀬山地区は25%を超えているという。社会的弱者を犯罪から守る一手段としても注目されている。

 とはいえ、このように高齢化も進んでいる。ただ、今後は、立地のよさから、だんだんと新しい富裕層に取って変われていくのであろう。そのさい、区画のサイズはどうなっていくのだろう? どのように平均年齢が推移していくのであろう? そのような移り変わりが画像をもって可視化されていけばおもしろい。Googleの仕事になるだろうか?
 話を澤乃井家に戻そう。ともかく、公式読本によれば、澤乃井家は、そちら側には存在しない。そこと隔てられた、西鎌倉1〜3丁目付近に存在する、ということである。この区域は、私の幼稚園のあった付近である。私のよく知る区域だ。以下を参照されたい。まさに、西鎌倉のメーンストリートの左右のどこか、このあたりに澤乃井家はある!


みうら寿司なんかは、澤乃井家が利用してんだな。つーか、出前か、金持ちは出前っぽいぞ(←よくわからない金持ちに対するイメージ)。

メーンストリートの奥、住宅街 考えてみれば、このあたりの邸宅だって十分に大きい。いや、大きさだけで、人の家の格や裕福さははかれないかもしれないが。ただ、ともかくやや意外ではある。私が想像する『青い花』世界における、富裕層、名家、お嬢様学校といったものから連想される鎌倉は、二階堂、北鎌倉の方。そう、杉本家や、むしろあーちゃん、ふみちゃんの住むあたりである。むしろ、あーちゃんをこそ、こちらに住まわせてくれなかったか。いや、しかし、井汲さんにモノレールはよく似合う、やっぱりこれでいいです。

おわりに

 しかしまあ、こんな風にいろいろ考えて、調べてみて、だからなんだというのだろう? よくわからない。よくわからないが、私はどこかで、康ちゃんとすれ違っていたかもしれないし、井汲さんと同じ車両のモノレールに乗っていたかもしれないのだ。だからなんだというのだろう? なんだってことはないだろう、そんな風に想像してみるのも、とても楽しいことじゃないか。どうせ私にとっての鎌倉は、私の追憶の中だけにある鎌倉。『青い花』の中の鎌倉とたいして違いはないし、むしろ『青い花』の鎌倉の方がよほど鎌倉かもしれない。あとは、湘南モノレールが出てくれれば、それでいいのだ。

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