硫化水素文化の夜明け

硫化水素ガス>連日の自殺…家族や近隣住民の巻き添え増加

http://www.excite.co.jp/News/society/20080424110300/20080424E40.023.html

 ちょっと前から話題のこのニュース、俺は「硫化水素の他殺」、テロを心配したりしていたわけだけれども、そんな事例よりも何よりも自殺が相次いでいるよう。
 プロバイダに削除を要請? みたいなものは、ほとんど意味がない。それが表現の自由やなんかとバッティングするかどうかなどということ以前に(それはそれで論じる価値はあるかもしれない)、ポーズでしかないだろう。中国やアラブならまだしも、日本のインターネット(ネットの国境とは? この言い方が適当かどうかはわからない)で、この手の情報、単なるテキストの拡散を止められるものかよ。ましてや府警が府内にどうこうするというのは、やらないよりましというレベルでもないだろう。
 つーか、そもそも、そんなに死にたがる人がいること自体を問題視して、自殺対策、自殺予防に力を入れるべきじゃないだろうか、自殺が問題ならば。あと、巻き添えが問題だというならば、巻き添えなしに楽に死ねる方法を周知させるべき、なわけもないかもしれないが。
 しかし、このなんというか、そもそも自殺率は高い方だったかどうかこの日本、硫化水素ガス自殺という新しい要素によって、新たな文化・文明・民族的メンタリティが生まれるやもしらん。たとえば今日、俺がアパートに帰って、飯食って、寝て、朝起きようと思ったら、なんか隣の部屋の奴が硫化水素自殺してて、その巻き添え食らって死んでるかもしれない。これは恐ろしい。そうなったら俺も絶望して、すぐに□□□□□□と□□□□□□を買ってきて自殺するかもしれない。それでさらに隣の奴が死ぬ。この連鎖がおそろしい(どっかで間違ってるような気もする)。
 子どもはいくら努力して勉強しようが、誰かの硫化水素で死ぬ。大人がいくら働いて、家族と共に生きようと思っても、誰かの硫化水素で死ぬ。愛し合う夫婦が子宝を授かろうと思っても、硫化水素で子が死ぬことが頭をよぎり、避妊具に手が伸びたそのとき、誰かの硫化水素で死ぬ。ある者の絶望が無関係の他者を直接殺し続ける、生死連帯責任社会。日本人は友愛の心で誰かの絶望を止められるか、連絡が途絶えたこの国に訪れた他国調査団を絶望のガスで殺すのか。……そうなる前にみんな、防護服を着て暮らせばいいと思った。