モンゴル地獄相撲は超柔道への電車道か?

北京五輪第7日の14日、柔道の男子100キロ級1回戦で鈴木桂治に一本勝ちしたツブシンバヤルがそのまま勝ち進んで優勝、全競技を通じてモンゴル初の金メダルを獲得した。もともとはモンゴル相撲の選手だったといい、8年前に柔道を始めた。「モンゴル相撲は柔道に似ているので役に立つ」。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/news/20080815k0000m050143000c.html

 俺の知ってるモンゴル地獄相撲(チャガ・ボルテ)とは違うわけだけれども、鈴木を葬り去ったあの突進力はすさまじかった。すごい迫力。「モンゴル相撲は柔道に似ているので役に立つ」と。こうなると、オリンピックなどの柔道もある種の異種格闘戦のようなものかもしれない。菊田早苗選手の言うように「ちょっとのことでポイントが入ってしまう為にかなりセコイ戦いをしざるを得ない。そこで、盲点を付く」ようなタイプの非日本的な柔道……などと言ったところで、俺は柔道など中学高校の体育の時代で受け身の練習をしたくらいであって、あとはオリンピックなどでしか見たことはない。そのくらいなのに、日本人って「外人には柔道がわかっとらん」とか言ってしまう悪い癖があるような気がするが、いや、しかしいいじゃないの、許して……ということで、まあ、反則ポイント奪取系はつまらんけど、猛ダッシュ朽ち木倒し系はそれなりに見応えもあるのかな、とか。それを受け止めるなり交わして投げるなり、それを見どころとする、と。柔道が世界化してしまうのは仕方ないのだから、せめてそっちで行ってほしい(もちろん、オリンピックで見るだけの俺の視点で)。谷亮子の敗れた試合の、あの妙な脱力感は面白くないのだ
 しかし、「モンゴル相撲は柔道に似ているので役に立つ」ので、たった8年のキャリアで柔道歴25年の鈴木をブッ倒してしまうのだから凄い。これまた日本人感覚だと、「この道50年」とかの方が強いのが相場だもの。ああ、でも、小川直也ってかなり短い柔道歴で凄いことになってたんじゃないっけ。
wikipedia:小川直也

1987年、正木嘉美の代わりに急遽出場した世界柔道選手権(無差別級)で優勝。柔道を始めてからわずか4年・19歳でのチャンピオンは史上最年少

 これだ。ツブシンバヤルの半分、高校に入ってから柔道をはじめたのだから、遅はじめの早咲きすぎる。しかし、小川は中学まで何をやっていたのだろうか? まさかモンゴル地獄相撲を修業していたわけでもないだろうが……。

スポーツパーソン/小川直也選手
 子どものころ、家の近くに剣道場があり、物心つく前から剣道をやっていました。中学校が終わるまで続けていましたが、高校に入って、たまたま出会った小野先生に誘われて、柔道を始めました。

http://www.sanseido-publ.co.jp/sports/sports_just2001_8.html

 へえ、知らなかった剣道経験者だったか。そういえば、今回の北京五輪のボクシング代表、一回戦敗退となった選手も剣道経験者で、独特の間合いがあるとか紹介されていたっけな。小川も肉体鍛錬以外に、剣道感覚がその後の格闘人生に役立ったりしたのだろうか。
 ええと、なんだっけ。柔道か。やっぱり柔道は見ていて面白い。そういえば、以前にも柔道プロ興行化みたいなこと考えたことあったっけ? ああでもなんだ、「指導」が飛びまくるのを評価しとるな、俺。いや、組み合って投げろよって「指導」ならポジティブだとは思うが……。いや、ともかく、みんな頑張ってほしい。ツブシンバヤルもさらに大相撲に転向したりしたら凄いと思う。いや、なんとなくまとめたいだけで、なんともまとまらないけど。