『ベクシル −2077日本鎖国−』

ベクシル-2077 日本鎖国- 通常版 [DVD]

ベクシル-2077 日本鎖国- 通常版 [DVD]

▽あんまり評判になっていないので、期待値低めで観たらその通りだった。
▼フル3DCGというのはもう意識しないでいい。とくにその方式が気になることはなかった。人もこのくらいのリアルさでいいのでは。あとは、ちょっとエロシーンに挑戦してみてほしい。
▽日本、デジタル鎖国、十年後、そこに潜入〜というネタはいいと思う。ただ、中身で何も驚かされることなく。あと、そこまで侵入を許していなかったものに、なんでいともあっさり。あと、その中身もいともあっさり種明かし。『類推の山』みてえに謎の謎の所にどうやって行こうかすげえ考えて、中身も、もうどうしようもないくらい、『キューブ』みたいに不可思議で、そっから中身からだんだんわかるみてえな(自分自身で挙げた例にピンときていません)。
▼音楽はおおむねよかった。
▽主人公の声優はおおむね最悪だった。黒木メイサさん……一人が負うものではないのだろうけど。谷原章介は出ていなかったのに気づかなかったので問題なかったのだろう。
▼どっかの誰かが、金出して「士郎正宗みてえなの」って感じで作られた、のだろうかどうか。でも、そうだとしても、俺はぜんぜん否定的でない、それには。そんなんでもっとどんどんSF作ってほしいと思う。たとえこの作品が、この作品に出てきた“ジャグ”のひとかけらだとしても、どんどん出てこないことには、こう、パワーにはならない。破壊することはできねえんだ。
▽はじまりが退屈だったな。アクションとかメカとかかっこいい部分はあるんだから、ガツンとやってくれても。
▼機械化の悲しみの描かれ方が薄いよな。
▽電脳(みたいなの)ってのは、やりにくいのだろうか。それとクラッキング合戦、電子戦。
▼オイルの色くらい赤くしておけばいいのに。しておいたって言い張ればいいのに。つーか、それを見分けられない「完全体」の能力に疑問。
▽デジタル鎖国、みてえなアイデアは魅力的だから、惜しいよな。なんか雑だよな、これは。「描く(作る?)のが大変だから、こういう設定」みてえな。そうじゃなくとも、なんか悲しみが足りないよね。何もかも足りないよね。
▼でも、SFはもっと作ってくれ。またやってくれ。たのんだぜ、誰か、これ作った人。