『タモリのボキャブラ天国大復活祭スペシャル』

 タモリボキャブラ天国が復活……というわけで、なんとなく見始めたけど、なんだかわからんけどリスペクトとピースのヴァイヴスに溢れていて、なかなか良い番組だった。
 ただ、ボキャ天というと「バカパク」、「シブ知」の方だろうという思いもある。が、はっきりいってその時代のことはほとんど忘れてしまっているので、当時お笑い芸人が出始めたころにそう思っていたな、という追憶に留まる。
 それよりも、ふとした仕草から、もう脳のどこにもなかったような記憶が甦る、これがすごい。たとえば、パイレーツがBOOMERの伊勢を気持ち悪がる文脈があるが、それに乗せられたのかなんなのか、テレビで見るたびに「伊勢キモイ」とか思うようになっていたのだった、とか。
 しかし、いいねえ、パイレーツ、今の。今のパイレーツだよ、俺はこのくらいの方がグッとくるんだ。ネタもよかったよ。ネタと言えば、若手か。考えてみれば、瞬間芸勝負のお笑いの走りはボキャブラだろか。そして、今の若い世代はこの勝負に慣れているといえば慣れている。‘1,000チクチクガールズ’ハリセンボンなどは上手く持ちネタと絡めたと思うし、‘南ちゃん不在の甲子園’ザ・たっちも同じく。‘みやぎ夢大使'08’サンドウィッチマンと‘20世紀中年’イワイガワはいかにも正統派ボキャブラという感じで好感。そして友近、正直‘しあわせ一人芝居’友近の芸はあまり笑えないと思っていたのだが、昨日のチャーチャはツボに入った。導入からの競い合いという面もあるし、もしも友近ボキャブラレギュラーだったら、こういうパターンなのだろうと思わせるような、確固たるスタイル。山城新伍みたいに睨むし(よくわからない)、電撃戦に向くとは思わなかったな。昨日は面白かったぜ。
 そしてクラシカルのメンバー。やっぱり‘不発の核弾頭’爆笑問題は面白い。当時も、やっぱり爆笑問題は特別だぜって感じで見ていたのを思いだした。曖昧な記憶だけれども、一時的に干されてるようなのは感じてて、子供向け番組かなんかで見たのかどうか、何だったか忘れたけど、ともかく応援するような気持ちで見ていたのもあったと思う。でも、やっぱり特別面白いってそれは思ってた。
 一方で、当時と今とで好き嫌いが180度回転したのが‘電光石火の三重殺’ネプチューンボキャ天当時はあの無軌道っぷりがどうにも好きになれないし、やたら引っ張るホストアキラのネタも長ったるくて嫌いだった。だから、ボキャ天後もしばらくネプチューンは「嫌い」の箱に入っていたのだ。それがひっくり返ったのはいつだろうか。なんかわからんが、今はもう「好き」の箱に入っていて、昨日の弾けっぷりも、過去映像もすべて楽しめたのだからおもしろい。こういう好き嫌いは初見でほとんど決まるもんだという風に思っていたけど、ネプチューンをきっかけにそれを疑うことになっているね、今。
 あとはえーと、‘歌う阪急電車幹てつやがクソスベリしてたのは面白かったが、‘地獄のスナフキン金谷ヒデユキって面白かったよな、とか、‘佐賀のがばい兄ちゃん’はなわはこの流れでしっくり来てるよな、とか。それとえーと、まあ、しかし、こないだのコントの番組もそうだけど、太田光は同世代芸人とか集まるとテンション高いとか、ええと、話は尽きないので終わり。またやってくれ、くりぃむしちゅーアンタッチャブルも呼んだりしてさ。それと、若手ではアイヒマンスタンダードとかガリガリガリクソン呼んでみようや、ふとっちょカウボーイがありならありだろ、っと。