インド同時多発テロのこと

インド西部の拠点都市ムンバイで起きた同時テロは28日、治安部隊が犯行グループの立てこもるホテルなどに突入、インド治安当局幹部は、イスラム過激派を殺害、拘束し、襲撃を受けた2つの高級ホテルを制圧したと述べた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081129-00000015-san-int

 どうもこの一連の事件については終結を見たようだがインドのテロ。パキスタン国内の勢力であるという見方が出ており、al Qaeda(←ATOKがいきなり英語に変換しやがったぜ)との繋がりなども指摘され、ともかくイスラム過激派という線が濃厚のよう。
 というわけなんだけれども、どうも何となくこの件が起きてからひっかかっていたのは、インドのカースト制度のこと。前になんだったか、仏教関係のなにかをつらつらウィキペディアなんぞで見ていたときに気になったんだった、やっぱりインドはカースト制が現有しておると。それで、下位カーストの人がイスラム教や仏教に改宗する流れがあるとかなんとか。やはり貧困から抜け出にくいと。ちなみに、異教徒がヒンズーに改宗すると、自動的に最下位カースト編入され、来世に向けてがんばってね、という仕組みらしい。そのあたり、(日本的大乗の観点では)ゆるすぎる仏教や、ムスリムになってしまえば肌の色も何も関係ないイスラム教とは違うところ。
 それでまあ、ともかく、インドの国内事情に精通しているわけではもちろんないのだけれども、この、質・量ともにインドが大国となっていく中で、そういったカーストの問題とかがどっかで爆発したりするんじゃねえのかな、とか。今回の件はインド人のあれかどうかはわかんねえけれども、いずれ、みてえな。たとえば、中国が先進国入りに向けて邁進する中で、チベット弾圧や人権問題などが出てきているわけだけれども、インドのカーストは、(法的には無いことになっているとはいえ)そのへんどうなのかな、と。
 まあ、カースト制度をこちらの価値観で見れば、理不尽な階級制度にしか見えないけれども、ことはそう簡単ではない。向こうしてみれば、それが「理」であって、さっきの来世の話みてえに、宗教観、人間観、時間観、世界観と何千年も合致させてきたものだとすれば、やさしい話ではない。もちろん、別の星系の話でもないわけで、つきあいなども出てくる中で、いたずらに相対主義に陥っていいものでもないし、このあたりは(俺のような人間が考えることがらとしては)もうお手上げという印象なのでした。おしまい。