[ロンドン 8日 ロイター] 英国のエリザベス女王が所有する馬が、ドーピング(禁止薬物使用)検査で陽性反応を示した。英国競馬機構(BHA)が発表した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090511-00000294-reu-int
陽性となったのは「ムーンリット・パス」という名前の雌の競走馬で、検査は2月にハンティンドンで出場したレース後に採取されたサンプルで行われた。
Even Eden had its serpent, and yesterday the racing authorities twice introduced a sombre note of vigilance to an afternoon that otherwise seemed the epitome of innocent pleasure.
http://www.independent.co.uk/sport/racing/moonlit-paths-star-crashes-to-earth-1680930.html
≪ハッシュ! ハッシュ! エデンにすら蛇がいた……≫
というわけで、女王陛下の愛馬から薬物反応、トラネキサム酸というニュースの紹介だ。俺が気になったのは、「ムーンリット・パス」という表記だ。競馬ファンからすれば、ここは「ムーンリットパス」じゃないと、なんか座りがわるいような気はしないか。日本競馬ではともかく一続き表記がお約束。
ザ・キング、ゴールデン・バットなど馬名に中黒「・」が入った馬名が出現。しかし、血統に混乱が生ずるということで、3年で廃止される。
特集 珍名馬アワード in 20c
まあ、こんな時代(昭和33〜35年)もあったようだが、ディープインパクトはディープインパクトであって、ディープ・インパクトではないし、ゾウゲブネメガミはゾウゲブネメガミであって、ゾウゲブネ・メガミではないし、ロバノパンヤはロバノパンヤであって、ロバ・ノ・パンヤではないのだ(なんか例が悪いような気がする)。
それで、このルールは、外国馬、輸入種牡馬にも適用されるわけだ。サンデーサイレンスはサンデー・サイレンスではないし、マークオブディスティンクションはマーク・オブ・ディスティンクションでもない。ザベリワンはザ・ベリ・ワンでもないし、イッツオールグリークトゥーミーは……もういいか。
というわけで、このムーンリットガールに名前の似た牝馬についても、競馬ファンとしては「ムーンリットパス」であってほしい、そうじゃないと気持ち悪い! と声を大にしていいたい。
が、いったところでどうなるものだろうか。というか、これが「ムーンリットパス」くらいならいいが、「ザテトラーク」とか言われたら「ザテト・ラーク」などと勘違いされることもあるだろうし(正確には「ザ・テトラーク」、テトラークはテトラルキアにおける統治者を指す。なに? テトラルキアをご存じない? 「4人の統治」という意味であって、まあ、古代ギリシアにもTTGにマルゼンスキーを加えたような時代があったということだと思う。今、ウィキペディアで調べたからたぶん正しい)。
まあ、そういうわけで、一般読者にとっては、「・」がないのが、逆に不自然にうつるかもしれないし、また、この記事を発表する媒体の用字用語のマニュアルというものもあるだろう。そういったマニュアルというものも、たとえば‘あるべき国語表現’的に難ずることのできる部分もあるかもしれないが、まあやはりそれなりに「皆が読みやすいように」と考えられて作られたものだ。
が、やっぱり、なんというか、競馬の話題なんだから、競馬ルール採用してほしいな、と。そこんところから、競馬に対する関心も深まる……なんてことはありえないけれども、まあ、なんだ、なんということもないのだけれども!
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ダニエルウィルデンシュタインて何だ。中黒なしで一続きになってるから馬か? いや違った。
ユートピアの帰還 - 関内関外日記(跡地)
別に人名由来のレース名は「ダニエル・ウィルデンシュタイン賞」でいいと思うが。
「THE」が日本語では「ザ」でしかなく、中黒(・)もスペースも入り込めないことが日本馬から「The」を遠ざけてきたように思うが、これが国際感覚なのだろうか、「サ」との重なりも気にせずに乗せるあたりに凄みがある。ザキング、ザゴールド、ザラストワード、ザラストドロップ。ザカリヤは違う。外国馬ではザベリワン、ザティンマンなどであろうか、いずれもカタカナ表記では違和感があるが、しかしなぜ「The Very One」がザベリワンになったのかも気になるところであるが。
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なんか俺、中黒の話好きみたい。一度中目黒に行ってみるか。