『青い花』を読んでいない

 アニメの『青い花』が「嵐が丘」の劇んところ行ったわけじゃん。それで、「嵐が丘」の筋については、アニメの方が原作より親切に教えてくれたなって感じあるんだけれども、俺なんか、それに頼るくらいしか「嵐が丘」しらねーっての。

 俺が知ってる「嵐が丘」っつったら、ケイト・ブッシュの「嵐が丘」じゃん。「ヒースクリフ、あたしキャシー、帰ってきたの、超寒いし」ってやつじゃん。いや、ケイト・ブッシュは英語で歌ってるんだけれども、そんなんだったと思う。俺、ケイト・ブッシュ好きで、いや、それとは関係ないんだけれども、まあいいや。
 それで、やっぱりその、漫画『青い花』、アニメ『青い花』はすげえ面白いんだけれども、だったらなんだ、ひょっとしたら、『嵐が丘』を読んでたらもっとかよ? みてえなところあるじゃん。ひょっとしたら、ノヴァーリスも? とか思うじゃん。

嵐が丘 (新潮文庫)

嵐が丘 (新潮文庫)

青い花 (岩波文庫)

青い花 (岩波文庫)

 そうしたら、やっぱりその、あの名作、俺の大好きな『櫻の園』(おもしろ記録打ち立てた最近の方の映画はしらねーよ、漫画と初代映画よ?)だってさ、チェーホフの『桜の園』読んでおけば? みたいなところあるじゃん。
櫻の園 白泉社文庫

櫻の園 白泉社文庫

桜の園・三人姉妹 (新潮文庫)

桜の園・三人姉妹 (新潮文庫)

 そうしたらさ、最近読んだ、桜庭一樹原作、タカハシマコ漫画化の『青年のための読書クラブ』読むにしたって……とかになんじゃん。
シラノ・ド・ベルジュラック (光文社古典新訳文庫)

シラノ・ド・ベルジュラック (光文社古典新訳文庫)

青年のための読書クラブ 1 (Flex Comix)

青年のための読書クラブ 1 (Flex Comix)

マクベス (新潮文庫)

マクベス (新潮文庫)

 ほんだったら、高野史子の『黄色い本』だって、『チボー家の人々』押さえてなきゃ、意味わかんねーかもしれねーってところあったりすんじゃん。
チボー家の人々 (1) (白水Uブックス (38))

チボー家の人々 (1) (白水Uブックス (38))

黄色い本 (KCデラックス)

黄色い本 (KCデラックス)

何かが足りない、教養が足りない

 あー、なんだろう、べつにさ、モチーフとかそういうものを押さえてなきゃ、ある作品を楽しめないとかわかんねーとか、そういう話じゃねえんだよ。ねえんだけれども、なんつーのか、たとえば俺の『青い花』指向があるとして、そんでも、なんか『嵐が丘』押さえてないってのは、ちょっと残念っつーか。つーか、なんかわかんねーけど、ちょっとそのあたりのメーンストリーム押さえてないってのは、ちょっとなんかいろいろ欠けてるんじゃねえかという不安、バイアス、オブセッション? みえてえのが。つーか、藤が谷女学院も『嵐が丘』やってねえで、『さかしま』の劇でもしろ、とか言えないじゃん。『ヴァテック』やれ! とか、『オトラント城奇譚』! とか、『類推の山』とか……まあ、要するに澁澤龍彦かぶれの、そんな中高生のまま、なんかメーンストリームを押さえていないというか、日本文学にしたって、なんかミシマ軽く読んだくらいで、あとはなんかその、国語便覧で大きく取りあげられた作家読んでねーっていうか。
 で、なんつーのか、今さら、というのも変だけど、今から俺が、それら古典名作、いや、そんな言い方はさ、すげー、悪いイメージあって、じっさいすげーエキサイティングだから今まで命脈を保ってるわけなんだろうけど、そこまで手ぇ出せないっていうか、そのあたりがあって、そんじゃーとりあえず漫画『青い花』の三巻と四巻が先じゃねえの? 『咲-saki-』の原作が先じゃねえのってなんじゃん。それが二十一世紀の正しいあり方だと思う。おしまい。