猫の蚤取りがしたい


 このところ体調やら心の具合やら悪くて、どうも脳のあのへんの分泌が変だという感じもあるし、食欲に関してもやけに餓えて困る。こうなると、だんだん怒りっぽくなってしまうし、だいたい選挙絡みのなにかを見ていて、二世議員(予定)など出てくると、「こいつがなんか笑える死に方するまで死ねねーな」とか、変なポジティブさしか湧いてこないというか、ともかくそんな具合(高層マンション群とか見て、『ファイトクラブ』のラストみてえにならないかな、と思うのは常時)。頭がうまく回らない。肩と右腕が痛い。なにもかも食い違ってる。香港から買ったタイ製の食べ物(合法)の中身が変わってしまったのだろうか。わけもわからず深夜まで会社に居て、翌日午前中休んでいたことがあって、あの午前中の、世間が一段落したような、ふっと静かな空気というのがとても心地よくて、ああ俺はひきこもりだったし、やっぱり世の中働いたりするのなんてろくでもないことだし、できることならひきこもっていたかったと思う。
 自分の得意なことで生きていけたらいいと思う。
 俺の得意なことってなんだろう?
 俺の中を隅々まで探してみて、見つかったのは猫の蚤取りだ。右手の人差し指と親指で蚤を捕まえ、右手の親指の爪と左手の親指の爪で潰して殺すんだ。俺の親指の爪は処刑台だ。すごく、蚤を殺したい、殺したい、殺したい。蚤を殺したい、殺したい、殺したい。