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自転車用にフットサル用の靴を買ってしばらく経つ。もちろん靴なので、そこのコンビニに歩いていくとか、部屋から出て自転車までとか、その程度は歩く。
その、歩いている、短い時間に、俺は、確実に、ボールが蹴りたくなっている。俺は、フットサルなんて、やったことないのに。
おかしくなってしまう。でも、そうだ。なんだかわからないが、足が、甲が、爪先が、ボールを蹴りたがってるように感じる。いや、靴が、俺にそう感じさせている。靴が、「おまえ、ボール蹴らないの？」って言ってるような気がしてくる。
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かなり前に、「軽くて涼しい靴が欲しい」という理由で、ランニングシューズを買った。俺は走らないんだ。でも、この靴を履いて歩いていると、足の裏の細かな突起が地面をけなげにとらえて、こう言うのだ「おまえ、走らないの？」。
ああ、俺にフットサルは無縁か。でも、ランニングならできるかもしれない。安クロスにユニクロのスポーツウェア。あれで街中を走れるのだから、似たような格好で走ってもいい。朝の四時くらい、誰にも見られてないとき、根岸の公園の方に。いや、根岸の公園は自転車におけるローディのようなランナーがたくさんいてよくない。なにかこう、どこか、走っていけるのか？ 自転車用の筋肉と、走る筋肉は、持久力は別物だろうか。よくわからない。ともかく、もうたくさんだ、こうやって、ここにいるのは。
