聖なる海とサンシャイン牧場

 最近ウェッブ上で「サンシャイン牧場」という単語をちらほら見かけて、なんとなくもぞもぞしていた。もぞもぞしない! でも、意味を調べるのはあり、というか、話題を追ってみれば、mixiとかが関係しているオンラインゲームの話らしく、俺にはまったく縁のない話だった。だから、べつのサンシャイン牧場について辿り着いたやつは帰れ。いや、帰らなくてもいいけれど。
 で、このままウェッブ上で「サンシャイン牧場」がそれに塗りつぶされてしまうのは悲しいので、俺は俺の思い浮かべるサンシャイン牧場伊達秀和オーナーのサンシャイン牧場について語りたい。

 ……語りたい、といったところで、個人的にサンシャイン牧場さんを知っているわけではないし、牧場の歴史をよく知っているわけでもない。Wikipediaや公式サイトを参照されたい。ただ俺は、出馬表で「この馬名は美しい」と思うと、伊達さんの馬、サンシャイン牧場の馬であることが多かった、というだけの話だ。俺は、日本競馬の中でいちばん美しい名付けをするのは、伊達オーナーであると思うのだ。

 ……とまあ、前も同じことを書いていた。余計なお世話の話まで入っている。でも、今も伊達一族の馬、サンシャイン牧場の馬は走っている。よろこばしいことだ。

 具体的にどんな馬名? 寺山修司が愛したミオソチス、その弟アローエクスプレス金襴緞子が泥にまみれてブロケード。しかしまあ、伊達秀和オーナーの所有馬一覧を生年順で古い方から並べてみても、そのセンスのよさに舌を巻く。
 「アロー」を冠名にしかけているのかな? と思いきや、すべてアローエクスプレスの子というところにこだわりを感じたりもする。

 もしや? と思って開いてみれば、どうもアローエクスプレス最後の方の産駒らしい。……うーん、見ているだけで飽きないな。いくつかパターンがあるのかな。フラ語、イタ語と思われるものに、ギリシャ神話風、それにサンシャインボーイみたいな爽やか系。あと、ゴールデンのつくような、鮮やかな馬名。うーん、一本槍じゃないぜ。サンデーサイレンスはるか以前に、サンデーっぽい名前もたくさんつけているみたい。

 お、意外な馬名が出てきた。キクノシンザン、ほらやっぱり韓国馬事会杯で韓国の騎手乗せて連対した馬だ。俺はこのとき、韓国のレベルとか知らず、「やるじゃん韓国騎手」などと思ったものだけれども、あとからなにかを読んだら、JRAの騎手が「危なくて一緒に乗ってられない」みたいな言ってたらしく、騎手招待は廃止されたのだっけ。
 ああ、しかしいいなぁ、ゼペット、シャコンヌスケルツォ、ジャカード、シュバリエ、パッサカリア。シャンソニエールにペイストリーシェフ。フィガロザカリヤプリモディーネ。スピンネーカー、リノヴァティオ、それにアンパサンドと、南関東でもよく見たよ。ヴァルディノートとかトワイライトワルツとか、気づいたら買ってるもんな、馬券。

 ……というわけで、「日記を書く」から「追憶に浸る」方が長くなってきたので、このあたりで。そして、今後も勝手にサンシャイン牧場の馬を応援していこうと、まあそれだけの話。