第30回ジャパンカップ感想

 レースの感想を書くのは一昨年の都大路ステークス以来だと思うが、ひさびさに一週間くらい考えて馬券を買ったG1なので、書き残す。
 俺の週初めの目論見というか皮算用としては、「あまりにも日本馬が強力なので、外国馬がなんかの間違いで突っ込んできて波乱したときの飛沫を拾う」というもの。
 それで、ひさびさに買った週刊Gallopなど読んでいて、一頭気になる馬が出てきた。モアズウェルズである。Gallopの、合田直弘外国馬診断で「昔、サドラーズウェルズ産駒のポリシーメイカーなんて絶対にJC向かねーって断言したら、あわやの4着に突っ込んできて肝を冷やした」(大意)とか書いてあって、そういえばそんなサドラーズウェルズの子がいたな、などと思い。それで、なんの根拠もなく、いきなりサドラーズウェルズの孫でなく子が激走したら楽しいとか思って、2走前にスウェーデンノルウェー馬を撃破したサウスポーのこいつを買おうなどと。
 と、しかし、当日くらいになってみれば、やはりどうしても、どう考えても日本馬の方が強く強く、思え、その中でもブエナビスタに死角なしという気持ちがマシマシになってきた。せっかくこれだけの面子が揃ったのだし、モアズウェルズは単複ワイドの遊びとして、本線をしっかり考えようと思ったわけである。
 とはいえ、考える材料は少ない。血統と馬場のバイアス? みたいなのを、亀マジサンクスのサイトで見るくらいか。というわけで、なんとなくグレイソブリンっぽいの走ってる? トニービンとか? みたいな当日東京芝の印象。さらに、午前中のなんかのレースでガリレオ産駒が勝ったりして、長谷川仁志も「サドラー系とかも完全に向かないとはいえないかもしれません」みたいなこと仰る。
 で、レース直前。いろいろ考えて、ともかくブエナビスタは勝つだろうと、一着欄一頭でいいと。長谷川仁志がつねづね「スペシャルウィーク産駒はカリカリに、ピーキーに仕上げてきた方が走る」(大意)とか言ってて、ブエナもマイナス体重で出てくるかと思ったら、プラスだったのはちょっと気になったけど、まあそんなすげえプラスでもないし、気にしないことに。
 相手。これが問題。いろいろ考えた。結果、「3歳勢は粒ぞろいな感じだけれども、ダービーとかも超スローの瞬発力勝負だったらしいし(よく覚えていない)、外国人騎手の多い今回それなりのペースになりそうな感じもするし、馬場も少しパワーいるみたいだし、最後は底力だろ」みたいな思考に。で、チョイスしたのが、オウケンブルースリナカヤマフェスタ古馬勢、それに3歳からエイシンフラッシュエイシンは重めな感じもいいのでは、などと。ブエナ頭からこの3頭への三連単。これでPS3とGT5、ついでにPSPの目論見。
 して、結果である。結果的にいえば、天皇賞をパスせざるを得なかったオウケンに、同じく菊花賞をパスしたエイシン、遠征帰りで咳してたとかいうし、パドックで冬毛とかが見えたナカヤマという、どうも不安材料多めのところばかり拾ってしまったかという印象。ひるがえってみれば、エイシンに肉薄ないし勝利して、順調に使ってきたローズキングダム、海外で揉まれてきて、鞍上も乗れていたヴィクトワールピサを選ぶべきだったと。まあ、遠征帰りという意味ではヴィクトワールピサも不安はあったが。
 というわけで、いろいろの目論見ご破算、有馬記念までは競馬を少し休んで自転車に乗る。
 ……って、そうだ、降着劇とかあったんだ。あれはそうだな、やはり何かもって生まれてきた武豊の1着力と、G1で2番手あたりを走ることに慣れているバラ一族力の、偶然の結実というか、そんなもんだろうか。違うか。まあいいや。