チキチキ第2回横浜国際女子マラソン観戦

 第2回横浜国際女子マラソンのコース図を見てもらいたい。下の方に、八幡橋という交差点があるだろう。その交差点からほぼ真上に線を引いて、みなとみらいの端、新高島の駅まで行こう。コースとその線に囲まれた範囲が、俺の日常的な行動範囲のおおよそである。嘘だ、もっと狭い。
 とはいえ、間門、産業道路入り口あたりまでは嘘でもないので。

 産業道路をアスリートたちが行く。というか、来る。毎度のことながら、一瞬だ。序盤なのでペースメーカーが前に並んでいる。今回のレースは、ペースメーカーがナイスなラップを刻んで、好記録が出たらしい。グッド・ジョブ。

日本ではペースメーカーの存在はマラソンのテレビ中継等では半ば触れるのはタブー視されていた時期もあり嘗ては棄権したペースメーカーに対しアナウンサーが敢えてアクシデントであるかのごとき実況をする事もあったが、2003年12月7日に行われた福岡国際マラソン日本陸連がレースでペースメーカーを使うことを初めて公表し、中継で触れる事が可能になった[2]。

 wikipedia:ペースメーカー。俺がマラソンにおけるペースメーカーの存在を知ったのは、2003年より数年前、高校の頃だった。自らマラソンをやる古文の教師が授業中に脱線し、なぜかペースメーカーの話を始めたのだ。曰く「役割を与えられたランナーではあるが、走りたければそのまま走っても良い。そのまま逃げきって優勝した人もいる」。……俺はよくわからないが、ペースメーカーというものにひどく惹かれる思いをした。いわば引き立て役、風除けという汚れ役である。しかしながら、一流のランナーを先導する者には、それ相応の力量も求められるはずだ。力量がありながら、己を滅し、ジョバーのような役目を果たす。なんらかの悲哀や栄光が潜んでいるようにも思える。まあ、陸上を知らないものの勝手な思い込みなので、陸上関係者におかれましては黙殺されたい(今回のペースメーカーもハーフなどで好成績を残した人ということで、距離適性の話もあるだろう)。

 さて、レースに戻る。第一集団から第二集団までけっこうな距離があった。ハイペースなのだ。ちなみに、今回のレースで自分が名前を知っている感じの選手といえば、ツル選手と坂本直子選手である。「天満屋坂本直子」。俺は天満屋というのがどんな店なのか知らないが、かっこいいじゃないか。尾崎好美選手とはいえば、「言われてみれば知っているような」というくらいだ。今回覚えたが。

 だからいつものあたりだと言っている。ちなみに、間門〜産業道路あたりは人で混み合うというほどではなかった。一人ひとりに最前列が割り当てられている程度といっていい。あとから録画しておいたものを見たら、杉田の方などはぎっしりだったようだ。産業道路と工場の近くでは当たり前か。

 それで、隊列がやってきて。そういえば、しばらく使わなかった携帯ラジオが壊れていて、それならばRadikoとかいうiPhoneアプリで、などと思ったものも、テレビが日本テレビの中継だというのでてっきりラジオ日本の中継と思い込み、試すのも忘れていた。文化放送だったのか。

 だいたい、現場で見ていても、こういった先頭集団など「わっ」という感じで通りすぎてしまう。

 後から、録画の中継やウェブサイトでの結果から、「写真のこれは誰々さんなのだ」とわかるわけだが。そして、中里麗美選手は写ってる写真のほとんどで笑っているのだった。

 バロスwwwwww(その笑いではない)

 このあとは、第一集団からかなりばらばらとなる。これは吉田香織選手。バックが車なのが残念。もう一枚前はピンがきていなかった。

 デラルツ・ツル選手。もとより有名人だが、来日後近くの小学校を訪れていたこともあってか、子供の声援が多かった。この写真はきちんと足の爪先まで入ってなくてはいけない。難しい。

 一方で、こちらの写真は、なにか体が中に浮いていて、合成写真のようになってしまった。難しい。

 しかし、本当に、第二集団というものが存在しないレースで。ご自宅で観戦してらっしゃる方にテレビの情報を聞いたりしたら、やはりハイペースで馬群が長くなっておりまして。

そ んな中この選手、

 ん? 足が! なんだこれ、テーピングか? サイバーパンク? トロン:レガシー? すげえかっこいい! 

 しばらくこのあたりで観戦したあと、小用をば足したくなったこともあってショバ替え。最後は本牧通りなので、山手警察署の方へ。


 しばし待機ののち、終盤戦がやってくる(変な表現)。後からテレビで見たところ、ここは四人に絞られていた先頭集団から、初マラソン永尾薫選手が引き離されそうになるが、必死の抵抗を、というポイントだった。

 ザ・高橋尚子in Da Place 2 B。沿道でもワンセグなどでテレビを観ている人が多く、この中継車が通ると「Qちゃん!」の声援も飛んだ。声援か?

 そして、間門から帰ってくる。先頭集団は三人、差はない。

 「わっ」という感じで通りすぎていって。

 この目で観る優勝争いはここまで。
 この後、レースは尾崎好美イトーヨーカドー本牧店の少し先あたりでスパートをかけて、そのまま押し切って勝利する。世界陸上の優先出走権を獲得する。その先のロンドンのオリンピックを見据えて。

 その後も、たくさんの選手が走り、やがて街は日常に帰る。
 俺は、イトーヨーカドーで半切れ150円の白菜と一袋28円のモヤシを買ってアパートに帰る。
 おしまい。

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