お上に楯突け山本太郎

 原発問題における山本太郎が注目されている。彼ならばさもありなん、という気がしている。なぜならば、山本太郎といえば新選組原田左之助であって、連合赤軍森恒夫である。しまいには官軍に楯突いて彰義隊と運命をともにしたり、山岳ベースで真の革命戦士を目指したりするやつである。反原発を訴え、事務所を辞めるくらい当たり前だと言える。
 ……と、『家なき子』当時の安達祐実にお金を手渡すレベルの現実とフィクションの区別がついていない脳の恐怖。まあしかし、俺にとってはメロリンなんとかの記憶は少し古く、もう印象に残っていないである。
 ところで、テレビドラマ降板とか、そのあたりの事情はどうなんだろうか。さっぱりわからん。わからんが、東電なり原発関連企業から直接の圧力みてえなのは、どうだろうか、あるんだろうか。なんとなく、無いような気はする。いや、無かったとしても、面倒なことになるぞ、という点で敬遠される、みてえな話はあるんじゃねえのかな、と思う。ドラマなりなんなりで、そっちに注目が集まったら面倒だ、というような。太宰治メソッドだかなんだかわからんが、意見なら意見の中身以前に、それを表明していること自体を敬遠するような空気。まあ、その、芸能界に限らずだろうけれども。それはちとおもしろくないように思うが、さてどうだろうか。
 そんなわけで、山本太郎室井佑月(普段はあまり朝NHK見てないが、たまたま回したら番組を凍らせていてよかった)に心情的に応援することを表明する。え、心情的? なんか明言を避けている? そうだとも。俺にはさっぱり基準値のことはわからん。放射性物質も、統計学も、疫学もわからん。学者でも割れている話だろう。俺に言えるのは結局それぞれの人生に依るところの話にしかなりえず、どうにかしなくてはならんという強い思いや、我が子を心配する親の気持ちに同調せずとも、それを否定する気にはさらさらなれんというていどのことだ。

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