- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2010/07/23
- メディア: Blu-ray
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で、この映画を観るのは初めてじゃない。ずっと前、それはもう、中学生とか高校生のころとかか、深夜のテレビ映画で観たことがある。しかも途中からだ。ともかく、ラストシーンでパイロットの男が草原の飛行場に寝っ転がっていて、なにもない大空を眺めて終わるところが印象的だったのだ。まあ、そんなラストシーンはなかったわけだが。
ところでまあ、これを借りようと思ったわけはといえば、写真集?『アドルフ・ガーランド』の一コマに、『空軍大戦略』のアドバイザーをする姿があったからだ。そうなのか、と。まあ、そうだったんだが。
というわけで、役名は違えどガーランド役がゲーリング国家元帥に「スピットファイアを」のシーンなんかもあった。ガーランドの自伝で言えば、つぎのようなシーンだ。
彼は、われわれの隊について要求することは何かとたずねた。メルダースは、もっと強力なエンジンを装備した一連のMe-109が欲しいといった。その要求は受け入れられた。「それで、きみは?」とゲーリングは私に向かっていった。私はためらわずにいった。「自分の隊にスピットファイアを装備してもらえればと思います」いってしまったあとで、私はかなりのショックを受けた。そういったのは本音ではなかったのだ。もちろん、基本的に私はMe-109の方がスピットファイアより好きだった。
まあ、「本音ではなかったのだ」のあとは脳内で補完するよりはないが。しかし、なんだ、やはりBf109の航続距離の短さよ。それに、護衛もなしの爆撃機というのは悲惨だな。
というか、このたびのなぜかわからないがはじまった二次大戦のヨーロッパ方面ブーム(おれの中でね)で、あまりバトル・オブ・ブリテンは知らないのだが(まあ、ガーランドの自伝くらいか)、イギリスのレーダー網というやつな。それの司令室みたいなところな。なんか、子供のころ見ていたウルトラマンだの、戦隊物だののそれを思わせるというか、まあそういったものがベースになっているのは当然かというか。
あとはなんだろう、イギリスのパイロット不足の深刻さと、それを補った外国人パイロットか。本作ではチェコ人部隊が出てくる。戦隊長の英語の指示を無視して、勝手にドイツ機を発見して、チェコ語でやり取りをして勝手に攻撃を始めてしまう。チェコやポーランドのパイロットはベテランが多かったようだ。飛行時間10時間という速成パイロットよりずっと強かったろう。
そんなチェコ人のパイロットが落下傘で脱出するシーンがある。落ちた先はもちろんブリテンの農場なのだが、どちらの兵士かわからないパイロットに、あのでかいフォークみたいな農具を持ってにじり寄る農家のおっさん。英語がようわからず、あるいはひどい訛りで「グーテンモルゲン」って言ってしまい、「なにがグーテンモルゲンだ、このドイツ野郎!」みたいになってしまう。実際にあった話だろうかどうか。ありそうな話ではある。
そういえば、エイノ・イルマリ・ユーティライネンとかいう人は、自国領土内に機体故障かなんかで不時着したあと、近くの人家があるので連絡を頼もうと訪ねてみたんだな。ノックしてドアを開けると、避難していた村人達がいたわけだ。そこで余計な遊び心が出てきて、ロシア語で挨拶してみたんだな、無傷の撃墜王氏は。そうしたら、すぐに猟銃が向けられたと。
で、誤解がとけてから話をしてみると、アザラシ猟師のじいさん曰く、「お前が飛行機から降りてきたときから、いつでも目ん玉を撃ち抜けるように構えていた」と。なんでも、アザラシ猟は毛皮を駄目にしてはいけないので、目を狙うんだそうだ。さすがシモ・ヘイヘの国だ。
まあ、そんな北の国の話ではなかった。バトル・オブ・ブリテンだった。この映画は群像劇みたいになっていて、これが主役という感じではないんだ。それで、チャーチルは「人類の歴史の中で、かくも少ない人が、かくも多数の人を守ったことはない」みたいなことを言ったりして、映画の〆の方にも出てくるんだけど、その「かくも少ない人」もいろいろで、もちろん、地上勤務者も、女性も、ロンドン市民もいたりという、なんかそんな感じを出したかったのかな、みてえに思ったりはする。そんなところ。
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