イタロ・カルヴィーノ『レ・コスミコミケ』を読んだ


 なんとも奔放な大ぼらの話だ。よくもまあこんなに自由にやれるもんだと思う。「昼の誕生」とか「宇宙に印を」なんてののスケールときたら、まったくもう手に負えない。いったいどれだけの時間と空間を飛び回っているんだ。こんなもの読んだことがない。
 ……というと嘘になる。こういうもののパロディかパスティーシュかわからないが、ともかく高橋源一郎がこういうのを書いていたような気がする。そして、お月様やらやなんやらとなると稲垣足穂になる。べつにSFでもいい。そんな感じはある。『見えない都市』ほどの衝撃はなかったといっていい。
 ……のだけれども、そう、その都市あ\だ。一億光年とか、何万年の話からふと人類の歴史、そして現代の都市に入りこんでくることがある。おお懐かしの我が家。その都市の描かれ方のいやにリリカルなのは読んでるこちらの強烈な引っ張られ方からくるものかもしれぬが、そこのところは非常に好もしい。そう思った。
 ちなみに、どうでもいいけれども、これはここしばらくの読書傾向とは異なっていて、つまりはずいぶん前に買った本だった。Qfwfq老人は、おれが初音ミクのコンサートの前にこいつを読み終えたことを予想していたのかね?

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