松山ケンイチ(27)主演の2012年NHK大河ドラマ「平清盛」(日曜後8・00)の最終回が23日に放送され、平均視聴率が9・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが25日、分かった。
「平清盛」最終回も1ケタ9・5%、平均も史上最低12・0%― スポニチ Sponichi Annex 芸能
はじめに断っておくが、おれはわりと『平清盛』を毎週楽しみにしていて、録画もセットして、その日のうちに観ることがほとんどだったし、2週分ためてしまったなんてこともなかった。低視聴率記事など見かけると「悪くないんだけどなー」的なブクマをつけることもあった。それにみんな、シエとヤユしてた前作のあと、予告編とか見て期待してなかったか? なぜなんだぜ?
が、なんか最終回見終えて思うに、いまいち感も否めなかった。今の時代、視聴率がなんぼのもんかしらんが、まあしかしそれでもあるていどの傾向を見るものとして参考にはなるだろうし、そういう意味で低迷していたのもなにか理由あるんじゃないかって気もしないではないんだ。じゃあ、なぜか?
後半につれてエピソードとナイスキャラ減ってく感
まず、平清盛にスポットを当てた時点で、なんつーのか最後に向かって盛り上がっていく、最後に大勝負がある、みたいなものになりえないってのは仕方ないことなんだろうけど。いや、壇ノ浦に清盛入道の霊が出てきて平家に加勢するのを実朝とか崇徳院の霊が押しとどめる悪霊バトルとかやってもよかったんじゃねえか。それと、話と同時に魅力的なキャラもどんどん姿を消していくのも重なってみたいな感じもあって。白河法皇に鳥羽法皇、崇徳上皇、それに信西に悪左府とか。源頼朝のわりと頼りなさげな感じは悪くないけど、源実朝の方がかっこよくインパクトあったとか、その親父がよかったとか。
んで、後半になるにつれて、平家ファミリーが増えてくんだけど、正直いって平重盛亡きあとは誰が誰だかわからず、いちいちiPhoneでウィキペディア読むのも面倒になり(いちいち「平家最強ってだれだっけ? って思って平教経かとか。まあ時代的に出てこないけど)ーの。これは人数も多いし仕方ないのかもしらんし、鎮西八郎みたいな豪傑揃いじゃないから負けたとか言ったらそういうわけなんだろうけど、なんかね、なんだかね、実際そんだけ子や孫や一族が栄えたんだから仕方ないんだけどね。あと、役者さんには悪い言い方だけど、やや顔と名前が思い浮かばない(この人、BSで先にやってた新選組もので沖田総司やってた人だ、くらい)のも。
まあ、そんなかでも森田剛演じる平時忠なんかはずっといいキャラ出してて、禿あたりの演出もよかったんだけどなー。生き残った森田君が最後〆てもよかったんじゃねえかくらいの気はする。
結局、「武士の世」て誰得?
まあいろいろ難点を論うこともできようが、なんか結局ここんところがどうもなんかおれにはようイメージできんかった。清盛が「武士の世」、「武家の世」言って、結局だからどうなんの? 貴族から権力を奪って、それでどうすんの? どうなんの? って。なんかこう、「政権交代」、「政権交代」だけ言ってるみたいな。いやね、あまりに「民百姓が平和に暮らせる国づくり」とか言われてもなんだが、あまりにも言ってないような、というような。それって武家得なだけじゃね? 感が強くなってきて。そんで、最後は中国と交易ができりゃよかったんか、とか。それで、最終回の頼朝のナレーションでも、本当にあれは足利幕府になって、みたいなこと言ってて、そこのどこがゴールなのかようわからんというか、戦国時代になってさらに国は乱れ、大河ドラマの主人公は平和を願い……の繰り返しでもあったりして。いや、日本史的に、国の形としてどうこうという話はあるかもしらんし、清盛が大きく世を変えたのもたしかかもしらんけど、少なくともこのドラマん中で清盛の目標が定かのようで定かでない、というような。……って、王家の犬ではないって言って、まあその天皇打倒という大タブーみたいな話もないだろうし、まあ平氏の血を皇族に入れて満足みたいな微妙さは、あんまりカタルシスないかもしれない、みたいな。
あと、清盛は世間的には悪役なんだし(大川周明が源頼朝について書いた文でちらっと清盛の先進性と懐の深さに触れてたりしてたっけ)、せっかく物の怪の血が入ってるんだから、たまにその血が騒ぎ出して、伊東四朗になってすごいことやるとか、ピカレスクっぽさとかあってもよかったんじゃねえのか、前半。二重人格主人公。いや、それはどうか。でも、なんか怒鳴ってる印象ばっかりあって、それが若さかっていえばそうなのかもしらんが、もうちょっとなんか。
というわけで、人として軸がぶれているというシーンは老いた姿として描かれたが、最初からぶれてるというか、定まっていない感はあって。いや、犬扱いの武家が成り上がるというところで、それをやってのける、しびれる、あこがれるぅ……というところもあんだろうけど、なんかドラマの中では実感乏しいというか。
それでもまあ、全部観たし嫌いじゃないです
「遊びをせんとや生まれけむ〜♪」って初音ミクの声で脳内再生できるし、そんでもまあ見るべきものは見たし、勉強になったというところもある。全体的に、最終的に、ちょっとなんか、というところはあるにせよ、と。あと、『マイ・バック・ページ』にピンとこなかったところあったり、あんまり松山ケンイチと相性がよくない(?)とかあんのかもしれんが、これだけではようわからん。で、来年は来年で始まるけど、さあどうなるかわかりません、と。
★☆☆☆☆
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