年末に熱発するのこと

 午前4時半ころ腹痛で目がさめる。しばらくして便意あってトイレへ。完全な水下痢。熱もある。ノロかと思う。ノロウイルスか、と。
 思いあたるのはその前日の晩飯。会社の忘年会。ほとんど外食をしないおれにとっては、ルーチンから外れた行為。魚介類もあった。
 朝、社の人に連絡してみたら、べつになんということもないという。その後も、みな元気だという。ノロではないのか。おれだけ弱っていて当たったのか? それとも、酒か? ほとんどこの一年酒を飲んでおらず、冬になって暖をとるため焼酎を買ってお湯割りに、あと、クリスマスというのでなんとなく安くて悪くないチリの安ワイン、セブンイレブンで買ったフロンテラなどちびっと飲んだくらいだった。 
 が、その日とて、白ワインをせいぜいグラス一杯(悪くないもののようだったが、貧乏舌なのでフロンテラの方がおいしく感じた)と……ドングリのリキュール? 洋菓子にでも使った方がいいんじゃないかと思ったあいつ。
 でも、二日酔いの症状って、頭の中で千匹の天使がバスケットボールに興じるとかいうものであって、熱発と水下痢じゃあないのではないか。まあいい。
 ともかく、年の瀬になって、おれは一日会社を病欠した。年の瀬も年の瀬なので、あまりすることもない。前にも書いたが、おれが風邪を引いたりするのは、決まって土日とか連休とか、要するにわりと仕事に影響のない日が多い。今回もそうだった。まったく。
 そして昨夜は、38.5℃の熱に浮かされながら、ほとんど見たことのない「SASUKE」をつけつつ、松岡正剛の『フラジャイル』など読んで過ごした。身体的に最弱の進化を選んだことで、最強になった人類。そして、うつろなる熱発の浮遊感。おれの肉体は弱まる一方でそろそろ終わりそうな気がする。終わってほしい。

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