『かせきさいだぁのアニソング!!バケイション!』に拍手を送り続けるさ


 アルバム情報が出たとき、曲目に「motto☆派手にね!」と「星間飛行」があるのを知って、これは買わなきゃいけねえって思ったんだ。いや、最近のかせきさいだぁのアルバムは買い続けてるから、なくても買ったんだろうけど。

 さて、アニソンのカバー。シティポップ。おれは30過ぎてから日本語ラップも聴き始めたし、アニメも見始めた(『戦国コレクション』はなんかあれ評判いいの知ってるけど、放送のタイミングずれてたせいかチェックしてなかった。一話と二話を借りて観ただけ)。おれにとっては唐突な衝突といった印象。かせきさいだぁはどんなものを出してくるのか。ただ、なんらかの軽快さは予感していた。前のアルバムのインタビュー。

そうですね。前作のレコーディングのときに考えてて。自分は歌がうまいのではなくて「味がある系」の歌い方なんですね。細野(晴臣)さんやユーミンもそうなんです。ユーミンをカバーしたハイ・ファイ・セットは歌がうまいのに、ユーミンのほうがいつまでも聴かれるのは、何か秘密があると思って。それで3枚目を作ってるときに「こういうことかな」ってつかむところがありまして。

かせきさいだぁニューアルバム「ミスターシティポップ」インタビュー - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

それは(笑)。あんまり言いたくないな……倍音を使って歌うんです。

そう。ユーミンは多分わざとやっているんですよ。僕は歌がうまくなったんじゃないんですよ。

 倍音とはなんぞや? と調べてみてもむつかしいはなししか出て来なかったのでおれにはまったくわからなかったが、なにかコツだか技法だかをゲットしたんだろう。それで、「冬へと走りだそう」なんかを『ミスターシティポップ』のバージョンと、昔のやつを比べてみると、なんというかあからさまに声が違う。それが倍音効果なのかなんなのか知らんが。アレンジというのか、そういうので好きなのは「冬へと走りだそう・再び」だったりするんだけど、歌というか声というか、それでいくと『ミスターシティポップ』のバージョンだよなあと。
 つーわけで、このカバー集もおれにはよくわからない音楽的な文脈(「motto☆派手にね!」にしても元ネタはあると知ってても世代的に元を知ってるわけじゃねえし)と、その中での突飛な調合があって、その上を軽快にかせきさいだぁの声が流れて行くのだぜ。わりと心地よく。かなり心地よく。カラオケだと困る「キラッ」とかでんぱ組の子にやらせたりしていいな。最後のパロディは元を知らなかったけどね。しかし、この『ルージュの伝言』とか妙に癖になりそうだ。
 んで、これで、欲を言えば、次はオール歌ものじゃなくて、この声でラップやったらどんなんなるんだろうとか、また期待したくなるのです。おしまい。

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