RHYMESTERのニューアルバム。なにか書きたいことはいっぱいあったような気がするけど、いざ流れてくる音楽、流れている音楽、流れ去った音楽というものを前にするとどうしていいか途方に暮れる。だからといっておれがそもそも日本語ラップを聴きはじめたのは、なにかのCMで流れていた「ONCE AGAIN」聴いてからだなんて話は16回くらい書いた話だ。べつに仏教が好きでBUDDHA BRAND聴きはじめたわけでもない。ところで時代はBPM143で進むらしいが、BPMってなにかね?
というわけで、たとえ神奈川新聞に紹介記事が載ろうとセックス・ドラッグ・バイオレンスの日本のヒップホップシーンとおれとの距離は遠い。セックス・ドラッグ・バイオレンスのにおいがうすめのかせきさいだぁとも遠いかもしれない。全部遠い。
そういえば、ピストン西沢の番組にMummy-D先生が宣伝に来てて、「この世界、だれが売れるかわからないから、だれにでも親切にしておく」という嘘か真かわからぬ処世術を語っていたっけ。
まあ、このアルバム全体、あるいは一曲一曲、一語一語にひっかけられたダブル、トリプルのミーニングのうち、リスペクトすべき日本のヒップホップシーンの追憶についてはまるでわからない。って、書くのもWikipediaでカスがググった結果前提というのが面白くも辛くもある。まあ、「ダーティーサイエンス」で繰り出されるサンプラーの型番を聴いてもわけがわからない。ま、いいんだけど。
音楽泥棒、音楽遺産泥棒。そういえば、猛毒が日本に2台しか入ってきてないサンプラーで、まず「笑点」の音を盗ったというのは大好きな話だ。真偽はしらない。あらやだ歌さんまだいたの? 小円遊さんが待ちぼうけ。もう21世紀だ。うたまる違いだ。
まあおれはどちらかというと、DJと聞けば「Deejay Deejay 今宵のプレイも調子いいぜ」とかいうより、The SmithsのPanicを口ずさんでしまうタイプの思春期を過ごしてはいたので。大学に入ったところでブイブイ言わせようどころか、とっとと撤退した人間だったので。
そういうわけで、おれの思春期を形づくった音楽は未だに変わらないという話なんだけれども、出会い一つ違えばということもあるし、新たに見知らぬ領域を切り開くこともあるというだけのことだ。そして、そこに立っていたサバイバーがライムスターだったってことだ。オーライ。
まあ、そんなところでここのところは声優のラジオではなくこのアルバムを流して、一人で妙な踊りを踊りながらお好み焼きを焼いているのです。
あ、お気に入りの曲とかメモしとくと「スクリーム」が一等で、あとは「サバイバー」で過去の名フレーズ連発するとこはなんかかっけーなーって思って、歌詞っつったら「ノーサイド」かね。べつに『エンドレスエイト』って入ってるからじゃねえよ。それと、DVDの副音声でPVの監督がリップシンクはあえて少しずれてるくらいのところに味があるみたいなこと言っててそういうものかと思った。今後気にしてみよう。
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かせきさいだぁ『ミスターシティポップ』を買っていたのだった - 関内関外日記(跡地)
……しかしなんだな、また回顧になるけど、CDアルバムをあるていどたてつづけに買えてしまうというのは、一曲一枚への思い入れという点で、飢えていた(聴くアーティストもジャンルも狭い、広げるための情報も少ない、買う金もない、大好きなバンドは内輪もめで新しいアルバムを出さない!)ころに比べるとどうしても、というところはあるか。