チプルソ『一人宇宙Ⅱ -アダムとイフ-』を聴く

新しさ、憂鬱にもなる春。
やっと楽しいと想えた、海花火夏。
食べ過ぎて、あっと言う間の秋。
風の匂い、TV番組、わかる冬。
「綴り」


 都築響一『ヒップホップの詩人たち』で紹介されていた幾人ものラッパー。その中でも一番聴きてえなと思って、ネットで聴いてみて一番いいなって思ったのがチプルソだった。ラップバトルでの攻撃性(Youtubeでも見られるね)、反面、叙情的なアルバム。二重人格的。
 さっそくCDを買い求めようとしたが、1stはすでに手に入らず(Amazonで高値がついてるが)、2ndを通販で買った。下のページから何曲か聴ける、通販ページヘも行ける。

 それで今おれは繰り返しこのアルバムを聴いているところ。関内か関外で「レディセンジェントメーン チプルソ A.K.A.……」とかブツブツ言いながら歩いてるやつがいたらそれはおれ。
 なんだろう、日本語ラップ。いや、そこで区切ってしまっては大きな話になりすぎる。よくわからない。よくわからないが、インテリ=高学歴=日常系とハーコー=ブリンブリン=ストリートみたいに強引に分けられるんじゃねえかと思う。ナンパと硬派? 分類に意味あんのか、おりゃどっちも遠巻きに好きだけど。
 でも、チプルソは、どちらかというと……どちらでもないような気がする。いや、おれが日本のヒップホップいうのを聴き始めたのがここニ、三年くらいでよくわかってないだけかもしれないが。なんというか、リリカル? 飾らずに綴られる言葉、そして中毒性。

Free as a Bird(鳥の様に)
Day Tripper(昼間からぶっ飛ぼう)
Don't Let Me Down(僕を落ち込まさないで)
Let It Be(なるようになるさ)
A Hard Day's Night(きつい一日)
All You need is Love(愛こそすべて)
Can't Buy Me Love(愛は金じゃ買えない)
Slow Down(ゆっくりゆっくり)
「休憩」

 ビートルズをこんなまっすぐに使ってきたりしてさ。それで、なにかこう、直球を照れるようななにかがあったり。

何てゆったり回る風車
闇雲を照らすあなたは陽だまりさ
不器用な生き方はまた字余りだ
「想い出最中」

 どこかで知っているような情景が描かれてたり。

街はもう明日になろうとしてる
新聞は居場所を見つけてポストに
喧騒までまだ後少し
「朝帰り」

 まあ、そんなところで、チプルソいいなって思ってる。できたら1stもほしいと思ってる。3rdが出たらすぐに欲しいと思うだろう。なんかわくわく、どきどきするようなものと出会ったような気がしている。人生はときどき悪くない。

 が、悪いこともあることで、CDケースがやけにがっちりディスクを掴んでて、三度目に取り出すときにヒビを入れてしまった。もうCDドライブじゃ認識できない。職場と家の二台に入れた後だからよかったのだけれど。あと、おかげで隅々までいろいろ書いてあんなって気づいたりしたわけだけれど。それじゃ。

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