みなさん、競馬というとどんなイメージを持っていますか？ 赤鉛筆を耳にはさんだちょっとこわいおじさんが、「大穴、大穴」とぶつぶつ呟きながら競馬新聞とにらめっこしているような、そんなイメージを持っていませんか？ でも、競馬というのは人類と馬との間から生まれた、歴史あるスポーツなんですよ。今回は、そのことを紹介したいと思います。
といっても、ぼくも競馬についてははっきり言ってよくわかりません。でも、野球にイチローがいるように、競馬にだって競馬ファン以外にもよく知られる名馬がいますよね。スーパーシンザンやシンボリクラウン、オグリスペシャルといった名馬や、ハルウララや、えーと、ほら、チアズアトムの下、そうそう首都高に逃げ出したスーパーオトメとか、話題になった馬もいます。そう考えると、意外と身近な存在だと思いませんか？
そんなわけで、ぼくは府中市にある東京競馬場に行ってきたのです。東京競馬場というのは、日本でも一番大きな競馬場ということで、根岸競馬場よりも大きいということです。広い芝生の上を疾走するサラブレッド（競馬で走る馬のことをこう呼びます）の姿に胸踊らせて南武線に乗ったのでした。
しかし、なんということでしょう。知らなかったのですが、今、東京競馬場はお休みなのです。馬場にもパドックにも馬の姿は一頭もありません。ただ、画面に向かって競馬ファンたちが熱い視線を注ぐか、芝生の上に寝転んで日焼けをしている姿があるばかりでした。これは失敗です。一緒に来てくれた彼女にも申し訳ありません。
でも、どうやら、他の競馬場でレースが行われているらしいのです。みな、その馬券を買っているみたいなのです。せっかくなので、勇気を出して馬券を買ってみようと思いました。ちょうどパドック（走る前に馬が歩く姿を見て、発汗がどうだの、トモの送りがどうだの、腹回りがまだだの見るらしいです）が福島5レースでした。画面に映っていた馬を見て、彼女の人が言いました。
「ハナモモなんて名前の馬がいるんだね」
そうです、馬名も個性豊かです。同じレースには「イワ」という名前の馬もいました。ロックオブジブラルタル産駒でもない。意味がわかりません。紙上で人気している「ウナギノボリ」のお母さんが「ワナ」というのですから、そちらの産駒ならまだわからないでもないのですが……。それから、「ハシッテイイトモ」なんて馬もいて、お母さんはアスワン産駒のスニーカーです。それから「マイターン」という馬もいて、おまえは長距離交流重賞でよく見かけてたやつじゃないか。もう馬名が使えるのかとか思いました。
結局、ぼくは「トゥルームーン」を本命に、彼女は「顔がかわいい」という理由で「アルマニンファ」という馬を本命にして、馬券を買ってみました。ついでに「イワ」の単勝馬券も買いました。
さあ、いよいよレースです。どきどきして待っていると、「6番の馬の馬体検査をしています」と表示されます。ぼくの「トゥルームーン」でした。よくわからないのですが、結局「トゥルームーン」はレースに出ないことになったようです。ぼくの馬券はどうなるのでしょうか。なんと、レース後に払い戻されるようです。ぼくは戦わずして馬券を当ててしまったのです。なんというビギナーズラックでしょう。
レースの方は、先行していた彼女の本命馬「アルマニンファ」が先行からしぶとく抜け出しかけたところを外から一頭強襲してくる馬がいいて、そいつが「ハナモモ」でした。最初に気になった馬というのは買っておくべきなんでしょうね。
アッシュゴールドが負けたのも見届け、ぼくたちはJRA競馬博物館に行くことにしました。積年のテラ銭がこんな豪華な施設に……と歯ぎしりするほどではないのですが、館内はきれいで職員さんもたくさんいました。ほとんど貸し切り状態で顕彰馬のコーナーを見たり、過去の映像（トキノミノルとマルゼンスキー）を見たりしました。世界の競馬の歴史のことも学ぶことができ、「バクパサーという表記は珍しいな」とか思いました。また、スターターごっこができるコーナーもあり、赤い旗を振ったのちに、握力計のようなスイッチを押したりしました。たいへん楽しかったです。
今度は、馬が走ってるときに来ようかと思いました。
これ以下は競馬とあまり関係ないのですが、大國魂神社です。
わりとアグレッシブな神社でした。どうアグレッシブかと言われても困るが。
新しい構造物からはヒノキのいい匂いなんかしたりしてね。
ひっきりなしに結婚式。
おみくじを引いたら「言」がなぜか孫子の兵法の風林火山だったり。
まあ、そんな感じです。
すごく広いという感じもないのですが、巨木が多かった。
森という感じはしないのだけれど。
府中市の観光案内もありました。今度は府中刑務所というところにも行ってみたいな。
おしまい。
