サン=テグジュペリ『夜間飛行』を読む


 ……何かが間違ってる。
 まあいい。この歳になって初めて『星の王子さま』を読んだ次の一手として、『夜間飛行』を読んだ。

夜間飛行

夜間飛行

 正直なところあまりエンジンの回転数があがらんかった。夜間飛行というより、低空飛行な感じで読み進んだ。が、一気に全てが光る最高のところに浮き上がる。刹那の輝き、すべての光。これはすごい。この感じはなんともいえない。同じ飛行機ものの、ロアルド・ダールの、あの飛行機の墓場のシーンに匹敵するような美しい光景。これがある。それだけをもって、この本は読むに値する。そんな部分だ。おれにはそれ以上、作品についても著者についても語るべきことがない。読み終わった勢いでこれだけ書く。だからこれでおしまい。