『アカメが斬る!』 テロリストの悲しき心は無かったが

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 一足早く終わったアニメなので、何か書いておこう。当初というか、見る前の印象としては剣と魔法のファンタジーもので、おれの苦手とするところと思っていた。正直なところ、日本刀を振り回すセーラー服みたいなのはあまり面白くないという先入観があった。
 が、この『アカメが斬る!』はなかなかに面白かった。面白くなっていった。主人公が最強すぎるわけでもなく、仲間たちが死なないわけでもなく、原作知らずとしては「いつ、だれが斃れるかわからない」という緊張感があった。実際にバタバタと死んでいった。死んでいくから(リアルで?)よい、というわけではないのだろうけれども、わりといい塩梅のようなところがあった。そういう言い方はなんだけれども、そうだった。そういうバランスの上で走り続けて、最後には主人公的キャラまで命を失った。おれはエスデス様が好きなので、美しい散り方だったと思った。悪くない。
 一方で、タイトルに名前のあるアカメさんはいまいち活躍が少ないようにも思えた。かすり傷さえ与えれば死ぬ、みたいなのは強すぎて困ったのかもしれない。でも、最終回には最強すぎるエスデス様との見せ場があったのでいいかと思う。
 ただしかし、なんだろうか、テロリストの悲しき心は無かったな。おれは、プレーヴェを付け狙う社会革命党戦闘団の話をしている。あるいは石川啄木。この『アカメ』も戦闘団の話といっていい。だが、あまりに敵味方が戦争状態のようなものであって、この子供を殺すことがよき社会への礎になるのか? という葛藤は少なかった。せいぜいは最後の幼年皇帝の処刑だろうか。幼年皇帝をアカメが処刑寸前に助けだして……で一つ、などとも思ったが、まああまり面白くなさそうだ。アニメでやったやつでいい。
 というわけで、だんだんに面白くなっていき、最後もわりと見事だったように思う。そしてやはり、先入観でアニメを判断しちゃあいけないぜ、というところも学べたように思う。でも、なーんかライトノベルから出たその手のアニメは苦手なんだよな。まあべつに克服すべきものでもないが。というか、こいつは漫画原作だった。そのあたりで違いがあるのかどうか、おれにはわからない。漫画原作がどうなっているかも知らないし、読む機会があるかどうかも知らない。まあ、あってもいいかとは思う。そう思うくらいわりとよかった。そんなところ。
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