- 作者: 筆坂秀世
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日本共産党の党本部は、JR山手線、総武線の代々木駅から徒歩で四、五分のところにある。日本共産党のことを「代々木」という言い方をするのはそのためだが、実際の住所は渋谷区千駄ヶ谷四丁目である。
初めて訪れた図書館で「せっかくだか何か借りるか」と思って、薄そうな本を探していて目に入った一冊。出た当時、ちょっと読みたいなって思った一冊。もう出てから9年になる。その間に、というか、こないだ日本共産党はわりと躍進した。
筆坂秀世はその日本共産党の「ナンバー4」だった男だ。それが党内の権力争いかなにか知らないが、不祥事(……といってもどのていどのものであったか)を犯して罷免され離党、そして記した本だ。
が、なんというのか面白みに欠ける。役人が書いた文書を読んでいるような気になった。内幕暴露というのならば、もっと面白おかしくやろうぜ、ドキドキ・ワクワク入れようぜ、という気になった。が、人にはそれぞれ素質があるのだろうし、「そもそもそんなおもしろおかしい話ねえよ」と言われればそれまでだ。秘書が比例当選の議員より有能で威張ってるとか、そんなんはまあ面白かったが。あとは不破哲三を「指導部」と呼んでいたとか……そういうのは手垢のついた話か。
まあしかし、人間組織というのはそれなりに穏当なものであれば、それなりの人間組織に必ず存在してしまう宿痾のようなものがあって、日本共産党も例外じゃないな、という、面白くない発見があったといえばあったろうか。まあ、そんなもんだろう。そういうものだろう、って。たぶん、色合いは違うが自民党にも民主党にも、あるいは大企業にだって出てくるもの……って、おれは大組織に所属したことなんかねえんだけれども。
と、まあそんなところ。今、読む価値があるのかと言われれば、さあどうだろうね。ちなみに、おれは選挙で共産党に入れることが多いが、この本を取り上げるまでもなく(共産)党という組織自体、人間の集まり自体が嫌いなので、たとえ金があっても赤旗を購読しようなんて気はまったくないのである。おしまい。