ザ・眠気との闘い 『ヴァルハラ・ライジング』

ヴァルハラ・ライジング [DVD]

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 ある監督の一作品を観て、それがたいそう面白ければ、ほかの作品にもあたってみようというのは当然のことと思える。おれはニコラス・ウィンディング・レフンの『ドライヴ』がたいそう気に入ったので、『ヴァルハラ・ライジング』を観ることにした。
 が、結果といえばこの項のタイトル通りである。第一章が終わるか終わらないかの内に真っ黒な暗黒の世界に引きずり込まれて、気づいてみたらDVDのメニュー画面なのである。これを二度繰り返した。頑張って先に進んで、また二度ほどメニュー画面を観た。これにはかなわない。まったくもって眠い映画である。むろん、おれが映画技術の粋であるとか、扱われているテーマの深大さを理解するだけの器ではないというのはたしかなことである。とはいえ、ともかくおれがしゃがみもせず、背伸びもせず言えることは、眠かったということだけである。
 とはいえ、ひとつすごいなと思ったのは、あまり映画作品であることを感じさせないというところである。こちらがわにカメラがあり、訳者にメイクあり、あるいはCGIあり(あるかどうか知らん)というところをあまり感じない。Amazonのレビューで『アギーレ神の怒り』みてえだという意見を見かけたが、なるほどヴェルナー・ヘルツォークがアマゾンでほとんどドキュメンタリーじゃねえのみたいな映画を撮ったのに似ているかもしれない。とはいえ、おれが眠かったから全体的にぼんやりとそう感じただけかもしれない。
 まあともかく、意地であった。二百数十円分のレンタル料のために、眠気と戦った。人間、寝ているに越したことはない。そこをよく耐えた。耐えて、「実写版ベルセルクとかこんなんかなー」とか思いつつ、なんとか分断されつつもすべて見通した。よくやった。まったく、いやはや。

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……『ドライヴ』はよかったよ。読み返したら書いてなかったけど、コクトー・ツインズ風の音楽とかもバッチリだったよ。

ドライヴ [Blu-ray]

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