マクド感じ悪いよね

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「フライドポテトにチョコレートを?」……ということでずいぶん久しぶりにマクドナルドに行った。べつにマクドナルドでなくてもできることだろうが、いざ自分でやってみる手間暇などを考えたら、それはもうマクドナルドに行くのが手っ取り早い。

して、「フライドポテトにチョコレート」、マックチョコポテト単品というのもどういうタイミングで食っていいかわからぬ。わからぬので、休日出勤の土曜の昼飯、サイドメニューとして頼むことにした。セットメニューにプラス60円で普通のマックフライポテトから変更可(※ただしクーポン使用は除く)、らしい。おれは貧乏だし、マクドナルドで1000円近い金を払うつもりはないので、なんたらいう200円のハンバーガーのセット(500円)にプラス60円でマックチョコといこうじゃないかと決めた。

560円。「マクドナルドで」という前置きがなくとも、昼飯としては高価である。おれにとっては。560円あれば、100円ローソンあたりで食いきれないほどの惣菜パンを買うこともできるだろうし、チェーンの牛丼屋でもそれなりのボリューム、サラダや豚汁なんかつけたセットを食ったりできるだろう。だが、チョコポテトの誘惑に負けた。

ひさびさのマック一時ちょっと前だったろうか。それなりに店内に人はいた。いたけれども、商品待ちの人が多かっただけで、待たずに注文となった。クーポンは使えぬ。自力でメニューから注文せなくてはならぬ。目当ての200円バーガーのセットを探す。……が、これが見あたらぬ。「あれー?」である。店内の上の看板なんかには、「エグチ」だの「バベポ」だの「ハムタス」だの大きく書いてあるくせに、手元のメニューに見あたらぬ。うろ覚えで間違った商品名を言うのもなんだし、どうにも困る。が、バーガーの一番下、写真もないところに文字だけでその3つが記されているのを見つけた。おれは「バーベキューポークバーガーのセットで……」と自信なさげに告げた。

なんなん?

おまえらは200円バーガーを売りたいの? 売りたくないの? 利益が出ないから隠しておきたいの? どっちなの? これ、100円マックを宣伝で煽っておいて、いざ店内ではメニューのどこにあるのかようわからん、というときにも感じたこと。相変わらずだな。売りたいの? 売りたくないの?

いいんだよ別に、客単価を上げたい、デフレ路線とは決別したいというのならそれで。あんたらが思う価格で、あんたらの考えたちょっといいハンバーガーを売れば。それを食うかどうかはこっちが決める。もちろん、低価格路線で行きますよ、本当は厳しいけれど出血大サービスでやっていきますわ、というならそれでもいい。それを食うかどうかもこっちで決める。

だが、現状はどうだ。やっぱり宣伝では低価格を謳っておきながら、店内では注文させにくくしている。これってどうなんだ。利用者としては「感じ悪いよね」、に尽きる。そこに、「値段の割に美味しくないよね」とか「満足感が足りないよね」が加わるとすると印象は最悪である。そこんところわかってんのか。わかってねえから中途半端でどっちつかずで、業績のほうがあんまりよくないままなんじゃねえの?

……と、マクドナルドを割高に感じる貧乏人は思うのであった。とはいえ、改善点もあった。レシートに整理番号が印字されており、病院の待合のように、モニタに番号が表示されたら受け取りカウンターから手渡される方式になっていたのだ。これは進化だ。前々から「なんとかセットでお待ちの方~」で手渡す方式だと、取り違えだのなんだのが起こるんじゃないかと心配になっていたのだ。そこだけはよくなった。

よくなったけど、この日は一つトラブルを見た。おれの番号が表示されたので受け取りに行ったら、先に若者がひとり、食いかけのハンバーガーを持って店員にこう言うのだ。

「チーズバーガーなのにチーズ入ってないんすけど」。

だれも食いかけのハンバーガーの断面など見せたくもないだろうし、見たくもないだろうが、そういう事情ならしょうがない。それで店員、「申し訳ございません」と喰いかけのバーガーを引き取ろうとする。若者、一瞬手を引っ込めようとする。が、すぐに店員に食いかけのバーガーを手渡す。店としては欠陥商品の取り換え。若者としては、チーズが入ってなくてもバーガーはバーガーなので食えると思う。まあべつにこれはちょっとしたトラブルで、べつに「感じ悪いよね」とは思わなかったが……おれの持ち帰りのチョコポテトにチョコ入ってなかったらどうしよう、とは想像した。

というわけで、マクドナルドは低価格商品を売りたいのか、売りたくないのか。なにかそこに商売として嫌なものを感じる、後ろめたいものを感じる、客を騙そうとしているかのような意図を感じる。低価格路線か、単価を上げていこうか、べつにどっちでもいい。でも、羊頭狗肉では駄目だ。感じが悪い。感じの悪さというのは、おそらく飲食業としてわりとよくないものだ。とくに味で勝負とか、ほかにはない商品を提供しているとか、そんなんではないチェーン店にとっては。要出典、だが、おれの感じとしては。

して、チョコポテトはどうだったか。普通の塩味ややきつめのポテトにチョコがかかっていた。想像の範囲内だよね、というところである。これがすごく不味かったりしたら、それはそれで面白いのだが、そういうわけでもなかった。そしてまた、量としては物足りない。わかっていたことだが、560円でこの量というのは物足りない。もう一個ふつうのハンバーガーでもとは思うが、それで660円というのはもはや予算オーバーである。貧乏人の言うことである。とはいえ、世の中には貧乏人も少なからずいる。そういうことである。