iPhoneでAmazonプライムビデオを観ていて、こんなんあったな、と思って観始めたら、結局最後までいってしまった。
おれと電気グルーヴ、電気グルーヴとおれ。おれが電気グルーヴの名を知ったのはいつだったか。中学生のころだった。とにかく、オールナイトニッポンを聴いているやつが多かった。どうもテクノユニットらしいが、とにかくラジオが面白いらしい、と。おれはそのころ昼夜逆転の生活(学校から帰ってすぐに寝て、深夜起きて徹夜する)を送ってはいたが、家の立地のせいでラジオの入りが悪く、さらに深夜「テレビ」大好きっ子だったため、結局あまりそこから電気グルーヴ世界に入っていくことはなかった。
聴き始めたのはそれから何年後か、インターネットというものが普及してからだ。たぶん。そこでなにかたまたまNIJIのなんらかのバージョンを聴いて、「おれは電気グルーヴを聴かなければならない」と思ったのだった。それから過去のアルバムを買い……『VOXXX』が出た。『VOXXX』は待ちに待った、という感じで買った。ようやく電気の歴史に追いついた。
これは強烈だった。そして……、そこでおれの電気グルーヴへの興味は一区切り、となった。その後、電気グルーヴとスチャダラパーは面白かったが、『J-POP』以降は買っていない。なんとなく。
して、映画である。真面目な映画であった。電気グルーヴの歴史、電気グルーヴのパフォーマンス、電気グルーヴを取り巻く人々、電気グルーヴがミュージック・シーンに与えた影響など、勉強になった。どこまで真面目にとっていいのか、というと、真面目にとっていいんじゃないのか、という映画なのだった。
いや、「テクノ」を日本に根づかせたというけど、YMOの名が一度も出てこないのは? とか、その地点は猛毒が通り過ぎている!とか(あとの方はおれの思い込みだが)思うところもあったけれど。
しかしまあ、なんだ、やっぱりLSDでもキメて、レイヴだのの現場にいなきゃわからんところあるんだろうな、この手の音楽は、というところもあって。それに、おれが電気グルーヴの好きな曲で打順組んだら、NIJIとN.O.とエジソン電あたりがクリーンナップに入ってくる、キャッチーな歌もの揃いになっちゃうしな。まあ、そんなところ。あ、電気グルーヴファンは必見だろう。それは言える。