メキシコみたいな国はどうすればいいのか? 映画『ボーダーライン』

 

ボーダーライン(字幕版)
 

巨悪化するメキシコ麻薬カルテルを殲滅すべく、特別部隊にリクルートされたエリートFBI捜査官ケイト(エミリー・ブラント)。
特別捜査官(ジョシュ・ブローリン)に召集され、謎のコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)と共に国境付近を拠点とする麻薬組織・ソノラカルテルを撲滅させる極秘任務に就く。仲間の動きさえも把握できない常軌を逸した極秘任務、人が簡単に命を落とす現場に直面したケイトは、善悪の境界が分からなくなってゆく。麻薬カルテルを捕えるためにどこまで踏み込めばいいのか?
法無き世界で悪を征する合法的な手段はあるのだろうか?得体の知れない悪を前に、知れば知るほど深くなる闇の行く末とは―。

メキシコみたいな国はどうすればいいのか? メキシコみたいな国とはメキシコみたいな国のことであって、たとえば北朝鮮のような「ならず者国家」(この言葉好きじゃないけど)というわけでもなければ、ソマリアのように無政府状態にあるわけでもない。ちゃんとした国家だ。人口も日本と同じくらいいる。だけど、麻薬のカルテルが大手を振って歩いていて、人がそこらにぶら下がったりしている。警察とか平気で殺されるし、警察そのものが麻薬取引したりしている。でも、だ。一方で立派なサッカー代表チームを作り、ボクシングのチャンピオンを輩出している(メキシコに住んでいるかしらないが)。独自の魅力的な文化もあるし、観光もできるだろう。そんでもやっぱり、すごい麻薬がらみとかで人死にが出てて……。ちょっとだけドゥテルテの気持ちがわかる、といったらよくないだろうか。あるいは、トランプの気持ちが、と。

というわけで、そんなメキシコを舞台にした映画。謎のコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)が、ブラッド・ピットに韓国ノワール映画の主人公みたいな闇を注入したみたいでよかった。そんなところ。以上。いや、ほんとまあ、そこまでラーメンが獣臭いわけでもなく、でも、まあ、というところ。