写真の左に映っているのはアンワルさんである。アンワルさんは悪い人である。ただし、ファッションセンスがいいし、見た目がかっこいいのだ。
名作映画の主役……？ やで。
そして、右に映っているのはルイ・フェルディナン・デトゥーシュの身分証明書かなにかだ。わかりやすく言えばセリーヌだ。
おれはこの二枚のプリントアウトを壁に貼っている。なんの教訓も得られない。心地よさも感じない。それがいい。
主題は中央に映るゆず酒ということになる。泡盛ベースにゆず、そしてシークワーサーで「しめた」リキュールである。度数10度。
はて、10度。どのくらい飲んでいいかわからない。37.5～40度くらいの蒸留酒の飲む量はだいたいわかる。14度前後の醸造酒の飲む量もまあわかる。ビールや酎ハイの量もわからないではない。というか、缶という単位でなんとなくわかる。
が、一升瓶で10度ということになると、はて、見当がつかない。今日は暑かったので、氷を入れて飲む。「ふるふる」と書いてあるのでふるふるして注ぐ。10度だからすぐには酔わない。ガブガブ飲む。うまい。後悔なんて時間の無駄だ、飲んで忘れろ……それはガンバリマン。というか、甘すぎず、というか甘味はあまり感じさせず、キレがあるよな、これ。ガブガブ……。
と、飲み過ぎかどうかわからなくなる。まあ、一本あける、ということはないのだけれど。でもって、胃がなんか変だ。胃薬を飲む。胃が治る。
とはいえ、おれの飲酒癖は治らない。胃がなんか変になれば胃薬、頭が痛くなれば頭痛薬。そんなもの対症療法にすぎない。とはいえ、おれの根源の病は治しようのない挫折と絶望と敗北感。ああ、宝くじ当たらねえかな。
↓いや、なんかくれたらそれでいいです……物乞い感に、ためらいもなにもない。
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