ここのところのこと(アルコールとおれ)

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ここのところのこと。

正月休み明け、いきなり忙しいか、忙しく感じたのか、わーっと一週間過ぎた。非常に疲れた。疲れた反動が先週末くらいにきて、午前中動けなくなった。週明けからまたなんとか動けるようになった。いくつか案件片付けつつ、年度末の繁忙はまだ見えず。三日前は朝の五時まで眠れず、起きてみたらそのままの寝不足のテンションで朝から会社に行けたりした。その反動で、次の日と、その次の日は夜の十時に寝た。どちらかというと過眠傾向にある。

ストロングゼロの話題。「純アルコール量が問題であって、ストロングゼロであるとかは関係ない」という論もあるが、酒飲みとしてこれは否定したい。酒の種類によって酔い方は違う。もちろん、まったくアルコールを受け付けない人(たとえばおれの母とか)から、「うわばみ」と言われるような人もいるし、普通くらいの人でも「醸造酒は苦手」とか、もっと細かく「純米酒でないと悪酔いする」(かつてのおれ)人までさまざまであって、えーと、そのなかでストロングゼロストロングゼロなりに、一定の方向性を持った酔い方がある、ように思える。飲まれ方があるように思える。松本俊彦医師はそのあたりのことを言いたいのだろう。「酒の入り口になりやすい飲み口のわりに、アルコール度数が高すぎる」と。ちなみに、一連の記事について印象論が多いという声もあるが、松本俊彦クラスの人が臨床で、あるいは周囲の声から受けた印象ってのは、まあもちろんたくさん調査したらそうでもなかったという可能性もあるけれど、一つの警鐘として聞いておいていいんじゃないかと思う。

それでもって、おれとアルコール。なんか昔、小瓶でカクテル売ってて(ザ・カクテルバー?)、いろんな種類があるのが楽しくて、ちびちび飲み始めたのが最初かな。まだ実家があったころかな。なんとなく親から隠れて飲んでいた。父と一緒に飲む、ということはなかったように思う。父が酒癖悪く、また酒で人生を破滅させた面もあって、母や弟に見せたくなかったというのもあるかもしれない。でも、せいぜい小瓶一本で軽く酔うくらいのもんだった。

それよりちょっと後に、缶チューハイというものに出会った。もちろんアルコール度数は9%もありはしない。しかし、飲んで驚いた。ものすごくハイになったのだ。ハイというか、笑いが止まらないくらい愉快な気持ちになった。ゲラゲラ笑える感じ。そういうわけで、おれは缶チューハイを「なんか笑いたくなったときに飲む酒」と位置づけた。

ビールはどうだったろうか。いつの間に飲み始めたのだろうか。たぶん、自分で買うというより、親戚の集まりなどで「おまえも飲める歳だ、飲め、飲め」ということになったのが最初だったか。ビール、最初から好きだったかな。嫌いではなかったな。もとよりおれは「甘くない炭酸水」が好きで、ビールは(基本的に)「甘くない炭酸水」だ。

それよりも、おれが背伸びして飲むようになったのがスコッチだ。シングルモルウイスキーだ。田村隆一の影響であり、村上春樹の影響であり、著者は忘れたがスコッチの蒸溜所をめぐる本の影響だ。ともかく、酔い方が良いのだ。何度も書いてきたことだけれど。おれのなかでシングルモルウイスキーは、じんわりと良い心地になりたいときに飲む酒になった。もちろん、金額的にもガブガブ飲めるものではない。

ずっと苦手だったのは日本酒だった。ためしにコンビニで買えるような一番安い日本酒を買ってみる、飲んでみる。これが、甘ったるくて、口の中によくない後味が残り、なおかつ悪酔いして、二日酔いみたいになったような気もする。悪い記憶は増幅しがちだけれど、なにか酒を買うときに日本酒という選択肢はほとんどなかったのは確かだ。やがて、「純米酒」と書いてあれば悪酔いしないことに気づき(あくまで個人の感想です)、そのうち「日本酒度が高い酒には美味しいものがある」ということになった。

ワイン。これはなんだったか。初めて飲んだのはこれも親戚の集まりだった。伯父が「これはちょっとすごい値段のワインである」と赤ワインを持ってきたのだが、今思えばフルボディというのか、どこが美味しいのかよくわからなかった。その後、「安い白ワインはガブガブ飲めるな」ということに気づき、毎週金曜日の夜はコンビニの数百円のワインを買って、東スポの競馬欄を眺めながら一本開ける、という習慣がついた。最近、というほどでもないが、まあここ二、三年のことだろう。赤ワインも飲めるようになって、チャールズ・ブコウスキーの小説に出てきたジンファンデルってどんなのだろうとか、買って飲んだりしているが、ワイン沼には入らないだろう。

で、ストロングゼロ。これについて、おれは「するする飲める」という意見に賛成である。おれはとくに人工甘味料を感じる能力がないので、ともかく甘い炭酸ジュースだ。で、350ml缶だと一本じゃ物足りない。すぐに飲み終わってしまう。もう一本、ということになる。ロング缶だとどうか。これもまた物足りない、ということになる。つまりは、そのあとにハードリカーを飲むことになってしまうわけだ。あ、完全に多量飲酒者ですね。それでもって、ストロングゼロの印象というと、「悪いことを忘れられる酒」という印象だ。悪酔いもしない、二日酔いもない。じわじわハードリカーを飲むよりも、スカッとしている感じがある。仕事とかでなにか嫌な不安を抱えているときに飲む用の酒だ。冷蔵庫には常備してある。べつに味にこだわらないし、こだわるようなものでもないので、サンガリアのだったりする。ああ、でも、ただ、檸檬堂の9%のやつは違うな。果汁成分を感じる。人気になるのもわかる、といったところ。

ほか、ジン、ラム、ウオッカ、焼酎などについて語りたいところだが、もう時間切れ。しかしまあ、つまみもないような、家飲み、一人飲みの人生だな、つくづく。