「女」について

おれのブログに、おそらく20年近く登場している「女」について、その書き方について書く。

その女性はおれより20歳年上である。おれが20歳と少し経ったときから付き合いがある。

「彼女」というのには、なにかその人をおとしめているような気がする。「彼女」と書くには、彼女のほうがよほど人生を歩んでいて、おれのようなものがそう表現するのには気がひける。

なので、「彼女の人」などと書いたこともあったと思うが、回りくどい感じは否めない。

「彼女」では軽すぎるのだ。でも、結婚しているわけでもない。それぞれ独立して生きている。「パートナー」というのも当てはまらない。

女性の友達、というのもなにか違う。

おれは正直、その人をなんと表現していいかわからない。わからないままに「女」という表現をしている。

「おれの女」というニュアンスではない。独立した、一個の人間として、「女」と言っている。「彼女」では軽すぎる。それはちょっと違うんだ。でも、「奥さん」、「嫁さん」、「パートナー」でもない。

「おれ」と「女」。対等だ。悩み抜いた末にたどりついたのが、これである。おれが「おれ」というのにいささか違和感があるし、「女」と書くのも乱暴なような気もする。それはある。

でも、おれが「女」と書くのは、その独立性、気高さ、自立している一個の人間であるという、そのところだ。

そのところで、なにかおれは失敗しているのかもしれない。しかし、それ以外の表現が思い浮かばなかった。おれと女は映画を観に行ったり、公園を散歩したりする。おれと女はよく話す。話は尽きない。

春のコートを買うのにも立ち会った。「高さがおありになりますので」と、ロングななにかを試着した女に店員が言った。おれは「高さがない」ので、うらやましいと思った。おれはそんなことを言われたことがない。女は背が高い。履くものによっては、おれより背が高い。

年齢差がなんだというのだ。おれはおれなりに独立しているし、女は女でいろいろなものを背負いつつ独立している。敬意を込めて、おれはその人のことを一人の「女」と書く。

もちろん、違和感がないわけでもない。おれが偉そうにしていると読まれても仕方はない。

なにかもっとよい書き方があれば、教えてほしい。