おれはヴィーガンを馬鹿にしない

 

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寄稿いたしました。こないだ食料全般の話を書きましたが、今回は肉の話です。ベースとなる本は一緒です。

 

 

おれの立場は、上の記事に書いたように、菜食主義に理解のある肉食くんといったところだ。というか、身体的な理由(祖父母と両親と弟が糖尿病)もあって、「こいつ野菜ばっかり食ってるな」という感じで、野菜ばっかり食っている

 

とはいえ、肉を食わないわけじゃない。金がないからあまり買えないだけ、というのもあるが、100g 68円とかのブラジル産鶏肉とかよく食ってる。というか、鍋となるとそればかり食っている。おれは肉を食う。

 

肉を食うけれど、べつに菜食主義者ヴィーガンを馬鹿にする気はない。みんな、好きなもん食え。究極のところはそうだ。ポテトチップスばかり食べて生きて死ぬのも好きにしろ。ただ、痩せたいと言っている人が「三食のほかにポテトチップスを絶え間なく食ってる」と言ってたら「ちょっと待て」とかは言う。

 

しかし、世の中というか、とくにネット上ではヴィーガンへの風当たりが強い。だいたい馬鹿にされている。怒りをぶつける人もいる。なぜか。それはヴィーガン側が非ヴィーガンに対して攻撃的な面があるからだ。かなり強烈なやつ。中にはただ静かに自分の選んだ食生活で黙々と生きている人もいるだろうが、そうでない人が目立ってしまう。だから、絶え間ない対立が生まれる。お互いの食生活を、栄養を批難する。ヴィーガンは少数派だし、だいたい馬鹿にされる側になる。

 

セクシー・ヴィーガンくらいになると尊敬の対象になるに違いないが。

飼い犬に猥褻をはたらき逮捕─男の名は「セクシー・ヴィーガン(本名)」 | 「大統領候補」で「歌手」で「虫の友」 | クーリエ・ジャポン

 

いや、飼い犬に猥褻をはたらかないでください。

 

セクシー・ヴィーガンはどうでもいい。それに、他人が何を食って生きようが死のうがどうでもいい。……とかいうと、「ヴィーガンの子供に生まれてしまったら、必要な栄養素が!」という声も聞こえてきそうだ。しかし、そもそもだ、そもそも子供を作るな。すべての人間の生産をやめるのが先だ。人類は滅んでもよい。

 

などと、ヴィーガンより過激かもしれない(おれは穏当で、人類の不幸を減らす意見だと思うのだが、反出生主義は)ことを言って、そのあたりはごまかす。果たしてそうなのか。しかしまあ、菜食主義でも十分足りるとかいう話らしいので、なんとかなるんじゃないのか。知らん。だいたい、もっと偏食な人間、それよりも絶対的に栄養が足りていない人間も大勢いる。世界には飢えも実在する。やはり人類はこれ以上増えるべきではない。

 

しかしまあ、なんだ、あれだ、たまにはガッツリ肉を食いたいよな。牛肉だな。おれは羊肉とかも好きだが、やはり牛肉にはなにか違うものがある。最上級の豚肉より、安い牛肉をガツガツ食べたい感じがする。牛肉から得られるなにかというものはある。

 

となると、たまには牛肉を食べておくべきかもしれない。スーパーで買える一番安い牛肉が本当に手が届かなくなる前に。培養肉が普及するのはずっと未来だろう。代用肉ではやはり物足りなくなるかもしれない。知らずに食って満足する可能性はあるが、そこをごまかして売られることはないだろう。それに、代用肉が今の肉売り場の半分を占めるのもまだしばらく先のことだろう。

 

というわけで、おれは普通に肉を食える現在が続くとはあまり考えていない。あ、宗教的制約とは関係なく、日本の食文化において、みたいなところで。おそらく、人口増加と地球環境の変化がそれを許さない。アメリカの美食倶楽部みたいなところでは、ライオンを食うような連中がいるらしいが、牛肉がそうなるとも限らない。

 

だからなんだ、肉、食うなら今か。え、動物の権利? 環境悪化の後押し? 知った話か。そんな倫理観はおれにはない。酒と馬券を少し我慢すれば、牛肉だって買えるはずだ。牛を食って死ぬか、牛を食わずに死ぬか、だ。あとは鰻もちょっと食いたい。

 

以上。