井上尚弥vsマーロン・タパレスの印象

【速報】井上尚弥vsタパレス|試合経過・結果・ハイライト|12.26 スーパーバンタム級4団体王座統一戦 | Sporting News 日本

ボクシングデータベース『CompuBox』によると、井上のジャブは138発中/32ヒット(23.3%)、強打は263発/114ヒット(43.3%)、タパレスはジャブ90発中/9ヒット(10%)、強打220発中/43ヒット(19.5%)と、それぞれヒットではダブルスコアがついている。

 

……というようなデータはともかく、自分の印象を残しておく。

  • 試合前は圧倒的に井上有利とされていた。もちろん、井上陣営が油断するわけもなく。
  • タパレスはフルトン戦後にリングに上ったときのたるみまくった様子とはなにもかも違っていて、仕上がっていた。
  • 「序盤からタパレスが一か八かしかけるのでは?」みたいな予想もあったが、1Rからガッチリとガードして手を出してこない。
  • タパレスはサウスポーの後ろ重心で井上のパンチの届きにくいゾーンを作った。
  • タパレスがたまに繰り出すパンチは威力がありそう。井上が戦前インタビューで「フルトンより怖い」と言っていた理由がわかる。
  • 解説者がタパレスのディフェンス力を評価していた。井上の強打も威力を殺しているらしい。
  • とはいえ、手数もなにも、圧倒的に井上が優勢。
  • 4R終了間際にはダウンを奪う。かなり効いている様子で、タパレスがぎりぎり立ち上がった感じ。
  • それでもタパレスはそのまま潰れない。タフだ。L字ガードでディフェンスを固める。たまに強打を繰り出す。これがあるから井上も一気のラッシュとはいかないのか。
  • 圧倒的に井上優勢で試合は進む。5~7R。
  • 8Rなどはタパレスががんばったので、おれは思わずタパレスにつけた。
  • 気がつけば残り3R。このまま判定もあるのかも? などと思う。ただ、逃げ回っているだけではなく、一発を狙っている感はある。対井上戦の戦略を練ってきて、実行している感じ、あくまで一発で倒そうという感じがする。
  • ……とか思っていたら、10R、なにが当たったかわからないが、タパレスが倒れる。立ち上がろうとしても立ち上がれない。TKO。そのあと、タパレスが尻もちをついて倒れる。
  • なんのパンチだったのか。スローが流れる。ガードの間を狙うピンポイントのストレート、一発、そして二発目。
  • あとからわかった。テンプル、だった。ちょっとだけタパレスの顔が横を向き、そこにストレートが直撃。
  • 試合後、井上も陣営となんのパンチだったのか話していたし、タパレスもテンプルを指さしてなにか話していた。
  • 井上苦戦、の試合だった。が、それは「井上KO勝ちに苦戦」というか、「早期決着に苦戦」というか、そういう意味だった。圧力もなにも井上が勝っていた。
  • ただ、タパレスはディフェンスがうまかったし、タフだった。見ているこっちもダメージの蓄積があったとは思えなかったので、崩れ落ちたときはなにかと思った。なにより記者会見で井上もタパレスに効いているのかどうかわからなかったと言っていた。
  • タパレスは強かった。
  • タパレスは記者会見で、「次に井上と戦う相手にアドバイスするとしたら?」(これはしょうもない質問だと思う)に対して、ただ一言「グッドラック」と言った。
  • 井上尚弥二階級で四団体制覇。もうスーパーバンタムでやることはない……と、外野は言いたいところだが、リング上のインタビューの段階で、来年、再来年とこの階級でやると言った。それはフルトンに勝ったあとから言っていたことなので、そういうことなのだろう。
  • 次戦はアフマダリエフか、それとも井上がファンの後押しを期待したのはネリなのか。わからないが、二年あるとしたらどちらともやることになるのだろうか。
  • 絶対的に強いものを見るのは嫌いじゃない。タパレスはクレバーにやったし、タフだった。ただ、相手が強すぎた。いい試合を見るのもとうぜんいい。