リング上のインタビュー。井上はキャリア最大の勝利かと問われると「そうですね。ドネア選手、めちゃくちゃ強かったです」と言ったが「その前にみなさん、平日木曜日にさいたまスーパーアリーナに集まってくれて本当にありがとうございました」と律儀に感謝した。
カットした経験は初めてだったといい、井上は「正直、2ラウンドからドネアが2人に見えました。その中で最終ラウンドまでいったことを最大のキャリアとして誇り、また来年から精進したい」と胸を張った。
一方でドネアについては「負けられないというドネアの強さ、気持ちの強さ感じた。世代交代という言葉を使ってきたけど、まだまだこれでは世代交代とは言えない。もっともっと強い井上尚弥の姿を見せたい」と敬意を示した。
締めくくりには「皆さんの期待するようなファイト、正直できなかった。これがボクシングです。そして今の実力です。また応援よろしくお願いします」と呼びかけた。
井上尚弥「2Rからドネアが2人に見えた」 血染めの死闘でWBSS制覇「最大の誇りです」(THE ANSWER) - Yahoo!ニュース
井上尚弥vsノニト・ドネア。おれのような、にわかボクシングファンも胸躍るマッチメーク。そして、舞台は最高のWBSS決勝戦。
はたして、どうなるのか。井上尚弥が短いラウンドで圧倒するという下馬評もあった。百戦錬磨のドネアがカウンター一閃、という可能性もあるという声もあった。おれは、井上尚弥が圧倒的に有利だと思っていた。しかし、ドネアの一撃があれば、やはりそれは短いラウンドだろうと思っていた。
その期待というか、予測は、いい意味で裏切られた。そういう試合だった。
初回からドネアが飛ばしてくるのではないか、という話もあった。しかし、様子見から始まった。様子見といっても、お互いの一撃で試合が終わる可能性がある。緊張感が半端ない。
そして、井上尚弥が右目を有効打でカット。2ラウンドで右目の上を軽く切っただけで「井上最大のピンチ」などと実況されてしまう井上。しかし、それは誇張でもない。
が、その井上、なかなかドネアを捉えられない。さすがのレジェンド。そして、「年齢的に試合が長引くことがあったらドネア不利」というスタミナ切れすら起こさない。井上尚弥の有効打があっても、決定打にはならない。
五分五分、あるいはドネア有利で迎えた11ラウンド、ようやくドネアが膝をつく。左ボディーブロー。最終回も井上有利か?
にわかのおれの採点では、なんと114-113の1点差で井上の勝利。
公式の判定はユナニマス・デシジョンで井上。思っていたより差がついたかな、というのが正直なところ。それだけ、ドネアという壁は高く、分厚かった。
が、それに12ラウンド対峙して勝ち切った井上尚弥。ザ・モンスターの必殺の一撃は炸裂しなかったが、これはこれで、もうそうとうに強い。レジェンド相手にフルで戦えるスタミナと精神力がある。「正直、2ラウンドからドネアが2人に見えました。その中で最終ラウンドまでいったことを最大のキャリアとして誇り、また来年から精進したい」との言葉通りだ。誇りに思い、さらに自信を強め、なおかつ精進するのだ。
ザ・モンスター! 二つ名は短ければ短いほど強い……という持論がある #ボクシング
— 黄金頭 (@goldhead) November 7, 2019
座間が生んだ(大橋ボクシングジムが横浜にあるからアナウンスではフロム・ヨコハマだけど)、ザ・モンスター。これからも目が離せないし、できることなら、地上波で(コマーシャルや実況の「?」な点は我慢するから)、ひとつ、お願いします。以上。
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