カキの新葉が出始めている(他人の家のだが)。おれはカキの葉の新葉が好きだ。万が一にもありえないことだが、おれが庭付きの一戸建てを手に入れたら、庭にはカキを植えるだろう。島木赤彦みたいに柿蔭山房と名づけたりするだろう。
そうだ、花咲く4月なのだ。
えらく狭いスリーエフもあったものだが。
ハゴロモジャスミン連中の「これから咲くで」という予告を横目に。
マル秘入居者について妄想を巡らしながら。
はい、来ましたフラワーセンター。正式には神奈川県立フラワーセンター大船植物園、だろうか。ドリームランド、フラワーセンター、在りし日の神奈川。
やはりおれは‘染井吉野’以外のサクラを求めて、こいつは‘松月’。
やけに蜜への誘導線がはっきりしたツツジなんかも咲いていたりして。
‘普賢象’とかも見頃であって。
クマガイソウなんかも咲いてたりして。
これはツバキの‘京小町’かな。
サクラソウの展示会とかもやってたりしてね。
杜仲茶のトチュウとかもあったりね。
これは‘鬱金’であってね。
まあバッタにもおれにもどうでもいいことだし。
なんで‘関山(かんざん)’が学名になるとSekiyamaだとかどうでもよくて。
フウ(タイワンフウ)の色合いなんかよくってさ。
ボタンとかも咲いてるのあったりしてね。
ハチも忙しいし。
横浜公園みたいにぎっしりじゃなくて、パラパラと咲くチューリップもよかったりしてね。
まあ、花咲く春だなって。
いやもう、このサルスベリの裸っぷりくらいになにも隠すことなくてね。
‘千里香’の香りに酔いしれてればいいのであって。
ゴクラクチョウカのマッソンの悲劇(白幡洋三郎『プラントハンター』を読む - 関内関外日記)とかも忘れてさ。
どっちが表か裏かわかんない花みたいの見て。
水の滴る温室抜けて。
変な花あった。
いっぱい咲いてる花あった。
まだシルエットの樹があった。
そして観音様。
さよなら、観音様。
おしまい。