昼頃に新しい冷蔵庫が届いたものの、ほんの少しの食品と酒、アイスを移し替えることしかやることはなく、結局、昼飯食うついでに会社に出て仕事した。 pic.twitter.com/IIx53jD7iU
— 黄金頭 (@goldhead) May 16, 2016
おれは月曜日に休みをとると言った。冷蔵庫が来るからだ。なぜ冷蔵庫が必要なのか。躁転して買い物狂いになっているからか? 否。一人暮らしをはじめてから十数年ともにしてきた冷蔵庫の冷蔵庫部分が冷えなくなってきたからだ。豚肉からはへんなにおいがする、牛乳は腐る。冷凍庫が無事だからといって全部凍らすわけにもいかない。冷蔵庫無用の都会的生活(?)というものもあるのかもしれないが、一応は自炊するおれにとって冷蔵庫は必需品である。神器である。買い換えるしかないな、ということになった。土日は旅に出ているので、受け取りは月曜日。旅の疲れもとれてちょうどいいじゃないか、ということだ。実際のところは上のツイートにあるとおりだが。
して、おれが今回新しい冷蔵庫を買い求めたのはヨドバシカメラの通販である。Amazonに対抗できる国内通販と評価されているサイトだ。「冷蔵庫、実物見なくていいの?」という話もあるだろうが、実店舗では家族向けの十数万の冷蔵庫が多く、一人暮らし向けのものはあまりない。カタログスペックとメジャーで十分だ。幅480mmとあるところが、来てみたら720mmありました、なんてことはないだろう。
それに、ヨドバシカメラの通販には、冷蔵庫の設置のほか、壊れた冷蔵庫の回収も頼める(Amazonにも有るかもしれないが)。ここはヨドバシ一択である。パッと見て、今より少し大きい(……新生活を始める人に言うのはもう遅いかもしれないが、自炊する気があるなら146リットル級のがいいですよ。なんというか、一人暮らしだからこそスペースが必要になる)やつを買えばいい。もちろん、数万はおれにとって大きい。とはいえ、これは必需品だ。致し方ない。
というわけで、月曜日の朝から、おれは冷蔵庫の配達を待った。ヨドバシの朝は早い。8時~12時だ。もし8時に配達となれば、確認電話は7時台である。というわけで、おれは6時半に目覚ましをしかけた。仕事に行くより早いじゃないか。そして確認電話を待つ。8時21分に電話がかかってきた。「配送は10時から12時の間になります」。え、アバウトな。
そしておれは緊張しつつ10時を待つ。古い冷蔵庫から炭酸水のペットボトルやビールらしきものを出す。冷凍庫はぎりぎりまで使うか。セブン-イレブンのチョコミントアイスの箱に保冷剤を突っ込んで入れておく。
コンコン。ドアがノックされたのは11時半過ぎであった。おれはなにをしていたか。たぶん、このブログを書いていた。「はーい」と応え、冷凍庫の中身を外に出して空にする。ドアを開けると日に焼けたお兄さんがいた。
「まずは回収します。これですね」と冷蔵庫を見る。「ハイアールですね」と言い、一応という感じで冷蔵室のドアを開ける。そこに詳しい型番などの書いてあるシールあった。そんなの使っていて気にもしなかった。と、ここで、お兄さんがあからさまに戸惑う。
「三洋……ハイアール?」
なにか回収のための書類をめくる。「ちょっとお待ちください」と携帯で本部かなにかに電話しながら出て行ってしまう。よくわからないが、「三洋ハイアール」への対処というものについて、本部の指示をあおがねばならぬようだ。
そうしているうちに、もう一人の配達員が背中に新しい冷蔵庫を背負って、外の道の階段を降りてくる。こちらは日焼けしたお兄さんとは違い、なんとも細い。あまり力強さを感じさせない年かさの男だ。たっぱはともかくとして、おれより腕なんかも細いんじゃあないだろうか。「こちとら重い家電を運ぶことだけに何十年も考えぬいてきたんだ」という気概を勝手に感じる。
して、ともかく出しちゃいますね、と、若い方の兄さんがおれの三洋ハイアールを抱えてドアから出て行く。三和土には一足の靴もない。通りやすいように開けておいたのだ。気配りのおれである(常識か?)。そして新しい冷蔵庫。思っていたより背が高い。だが、幅は思い通り。「ここでいいですか」。「お願いします」。昔の冷蔵庫は固定してから二時間とか電源入れないみたいなのあったが、最近のは違うらしく、いきなりオン。
そして、外でまた電話問い合わせをしていた若いお兄さんのほうが入ってくる。「リサイクル料金ですが、5,146円になります」。「ア、ハイ」。……内心、「あれ、3,600円くらいじゃなかったの? 送料込みで4,000円くらい」とか思うも、支払うよりほかにない。
コード999ってあからさまに「例外」みたいな感じするもん。 pic.twitter.com/krFNZOeeNc
— 黄金頭 (@goldhead) May 16, 2016
今調べてみたら、おれの予感は正しかったようだ……。
まさにその他、999。まったくなぁ。
そして、あっという間に2人組は去っていった。「時間ギリギリですみません」。「いやいや、お世話様です」。
というわけで、おれは肉を腐らせない、牛乳を腐らせない。いままでよりもたくさんものが入る冷蔵庫を手に入れた。どこのメーカーだって? 今度は日本のメーカーよ。
天下の三菱! これである。省エネ基準達成度134%! ……って、あれ、95%?
なんか幻で見ていたのか。まあいいや。
そしておつかれさまでした、おれの三洋ハイアール。
以上。