森島明子『聖純少女パラダイム』を読む

聖純少女パラダイム (ひらり、コミックス)

森島明子先生はすばらしい。ベリ・ベリ・ナイス。おしまい。

……で終わってはなんだから、過去にも書いたようなことを繰り返し書く。しょせんわれわれの人生など、同じところをぐるぐる回って、気づいたらゼンマイが切れてさようなら、だ。

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森島先生のすばらしいところは、百合の刹那的なところにとどまらないところである。本作は女子校を舞台としているが、大人の百合作品も描く。そしてまた、この女子校の百合(宝塚的先輩、文化系、そして主人公という三者三様のカップリング)とて、その後というものを描きはしないものの、予感させてくれるところがある。そこがすばらしい。その後の百合、というと志村貴子先生なども得意とするところであって、おれはそのあたりに惹かれるところがある。

これはべつに男同士でもいいし、男女でもいい、のかどうか(ここでいう「いい」かどうかというのは、フィクション世界をおれが好むかどうかという意味なので。念のため)。おれにはよくわからぬ。

美少年はやがておっさんになる。……と、ここで「え、おっさん同士ぜんぜんありでしょ!」という(おそらくは主にお腐りになられた女子の)声がすごい聞こえてきたような気がしたが……、まあいいや。やはりおれは美少年同士がいいな。

男女となると、まあ単なる、といってはなんだけれども、やっぱり若い学生時代があって、その後に再会して、なんてあるあるアルゼンチン(そういえば、なもり先生も『ゆるゆり』で先生方を描くようになってたいへんよいのです)で、それはそれで名作の類があるのかもしれないが、まああまりおれの興味を惹かない。

やはり「その後の百合」というものに惹かれる。が、これに関してはいろいろと論じられるほど百合漫画を読んでいない(そもそも漫画を、作品を論じるということが知識的・能力的に無理なのだけれど)、という問題がある。問題か? 問題なんてない。おれはそれが好きだ、これが好きだ。これはそうでもない。あるいは嫌いだ。世界は明確だ。おれは森島明子の漫画が好きだ。単純でいい。現実の恋とは違う。以上。

 

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