夢見る南方

http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline1057619.html

カストロ議長の早い回復を望みますか?)
「いいえ」(アメリカ バウチャー報道官)
(ということは早く死去してほしいと?)
「私はその男の健康には干渉しません」(バウチャー報道官)

 キューバ国家元首カストロが転倒したという。私の様な世代の者から言わせていただくと、カストロとはキューバ危機をもたらした共産圏の悪魔である。あれは、早いうちにケネディが手を打たなかったのが間違いだと断言したい。ケネディ大統領が暗殺された時も、「ピッグス湾で下手を打つからだ!」と思わず叫んだものです。カストロはかつてアメリカでプロ野球選手を目指してたという(キレのいいカーブを投げたという)が、大人しく野球をしておればよろしかったのである。
 しかし、そんな悪の手先であるカストロであり、危険国家キューバであるが、例えば似たような独裁国家である北朝鮮などと比べて、あまり憎めないと一方で感じているのは小生だけでしょうか。多分にカストロ議長のキャラクター(独裁者は普通、こけた後に「明日の朝刊が楽しみだ」などとは言わないのである)もあるのだろうが、これはあの国の気候風土が醸成しているのではないかと考える。気候風土が、共産主義の毒を中和し、ああ言った雰囲気になっているのだ。ソ連がああなってしまったのも、あの気候のせいではないかな、と思うのです。
 「それならば、思想や社会科学は無意味で、気候風土が全てを決めるのか」と言われそうですが、昨今の台風をごらんなさい。人間は思想だ科学だと言っても、この先進国の日本でも台風で人は死に、家は潰れ、レタスは高くなるばかりなのだ。所詮は毛の抜けたサルでしょう。
 逆に言えば、日本という(台風と地震はありますが)豊饒な国、古に葦原の千五百秋の瑞穂の国と呼ぶ国に住む我々が、極寒や熱砂、不毛の国の人達の思想の狭量さや無理解を、高みから見下ろすして馬鹿にするのもフェアではない、と思うのです。我々はめぐまれておる。そして、あるいはキューバも天から愛されているのやもしれない。アメリカに間近で睨まれて、まだ生きているのだから、余程の物でしょう。よし、カストロの心意気やよし。リナレスの活躍が回復薬となることを願おうじゃありませんか。