フェブラリーステークスについて考えた

 週初めにギャロップ誌を買った際には、あまりの登録馬の多さに混乱してしまった。が、しかし昨夜内外タイムスを買い、今朝日刊スポーツを買うに及んで、だんだん考えがまとまってきた。そして、枠順も発表されるに至り、前々日のメモを残しておこう。
 まず、展開から考えてみた。もちろん鍵を握るのはメイショウボーラーに他ならない。「まだ砂を被ったことがない」という不安点はあるが、見事外枠をゲット。芝のスピードのある同馬にはこの上ない絶好枠。それに、他に競り掛けそうな馬が少ない。さまざまな媒体における各出走陣営のコメントでも「あの馬に競り掛けたらこっちが潰れるだけ」だとか「ユートピアが行ってくれるの?」といった様相。腹の底までは分からないが、ともかくテンの競走に名乗りを上げる馬は居ないようだ。行くとしたら、やはりユートピア。今朝の日刊スポーツによると、クラフトワークAJCC時並に自信満々というが、その自信がどこまで本当かはともかく、どういう競馬をするのだろう。まさかローエングリンのような手は取るまい。隊列はメイショウ→ユートピアで落ち着きそうだ。
 こうなるとメイショウの「楽逃切」濃厚と言いたくもなってくる。が、一抹の不安はコース。どうもフェブラリーSにしても、逃げ切りが利かない傾向にあるという。最後にブッ差してくる、そんな印象。せめて前に行く馬がもう一頭でも居てくれたら差し―追い込み馬を本命にしたかったんだが、はたして。今のところ、というか書きながらメイショウ本命で行こうかという気になってきた。
 他に気になる馬となると、まずはハードクリスタル。馬主さんのサイト(http://homepage3.nifty.com/sfarm/)を毎日チェックしているとか、前走で馬券を獲ったというのもあるけれど、調教も動いているようだし侮れないと見る。ただ、あまりケチはつけたくないけれど、鞍上の岡部幸雄がちょっと不安だ。今年の成績も[3 6 10 62]と、どうにも終いがぬるくなってるのは否めない。今回は名古屋グランプリワイルドソルジャーみたいな乗り方ができるレースではないし、頭では狙いにくいのだ。いっそのこと、調教にもまたがってる藤岡騎手に、とも思うが、そこらへんは仕方ない。
 次にユートピア。この馬はなんか印象が掴めない。地方小回りが本領発揮とも思うが、JCDで結構粘って見せたし、軽視禁物。今回は展開の利もあろう。そういや忘れちゃいけないのがアドマイヤドン。何が何でも三着までには入りそうなタイプ。前走長めの距離でタイムパラドックスと最後までやり合ったシーキングザダイヤはどうだろう。ただ、ペリエが別人のように乗れていない[2 5 10 34]という不安もあるな。ただ、ここ大一番でビタッと決めてくるタイプだろう。これも恐い。
 ……おっと、このままではまた全頭挙げてしまいそうだ。しかしまあ、充実の面子。自分の考えの大筋は以上のようなものだけれど、問題はこれをどう馬券にするかだよな。今のところはメイショウ頭に馬単で上に挙げたあたりかな。しかしまあ、頭の中のごちゃごちゃを、今度はマークカードという実にデジタル的な判断に置き換えなければいけない二つ目の試練。最近では小論文の自動採点システム(http://coca.rd.dnc.ac.jp/jess/)なんてものもあるらしい(http://news.2-3-0.org/経由で知った)が、「予想の自動馬券化システム」を誰か開発してくれないだろうか。つらつら書いた考えから、予算に合った買い目を出してくれるようなの。負けても「これはこのくらいの評価だったから納得」みたいな。
 いや、そんなのに納得できることはありえない。馬券を買うというのは、自分自身の考えとすら時に対立する、実に奥深くおそろしい行為なのだ。いやはや、競馬とは何たる苦行。不可知に対する絶望的な挑戦とは言えませんか。これに魅入られてしまった全ての人にささやかな幸いあれ!