フェブラリーステークス回顧

 本命はタイムパラドックスにした。内外タイムスのトップバッター鈴木和幸(http://www.suzuki-keiba.com/)が本命にしていたからだ。最近、俺はこの人の予想のファンで、その理由を述べるといろいろ長くなるから今は避けるけれども、その◎に乗ったのだ。ただ、自分は土曜の内外タイムスしか買っていないので、見たのは印だけ、けれど、何かピンとくるものがあったというわけ。
 そもそも広い東京マイルはマイル以上の距離適性が必要という。あるいは、井崎脩五郎が去年のギャロップの年鑑でこんなコメントをしていた。「クラシック三冠は必要とされる適性が異なる三つを勝つから価値があるのであり、NHKマイルカップを変則三冠と見なすべきではない。なぜなら、東京のマイルは‘マイル適性’ではなく‘強い馬が勝てる’コースだから」と。すなわち、東京優駿と同意趣のコースということだ。まあ、それは極端な話としても、東京は広いということだ。……いや、しかし、ダートもか?まあ、ダートだって広いだろう。
 そしてタイムパラドックス。俺は常々「帝王賞東京大賞典掲示板クラス」と位置づけて来たけれど、ひょっとしてこういう可能性もあるのではないか?「広いコースで力を発揮」。たしかに小回り長距離に実績のある馬だが、それは距離適性とその層の薄さによるもの。真骨頂はJCDで見せた一撃。そして、舞台が府中ならばマイルも一緒。……てな具合でどうか、という感じ。
 だいたい、メイショウボーラーが居るのだから、単騎だろうと競り合いになろうと、前が遅くなるはずがない。ならばスタミナ型が突っ込んでくるのも定跡。というわけで、馬券はメイショウボーラータイムパラドックスユートピアハードクリスタルアドマイヤドンの三連複を保険に、後はタイムパラドックス単勝と手広い馬連で勝負。
 ……結果、カスリもしなかった。メイショウボーラーは強かった。馬場も枠順も相手も全部味方に付けて、なおかつ強かった。ヒシアトラスシーキングザダイヤも地力強化。しかし、シーキングザダイヤはノボノボ路線よりは高いところに向かえそうだな。
 で、我が本命タイムパラドックス。内からスルスル進出をはかったけれど、前が壁になって健闘四着。大外ブン回すわけにもいかないし、これは致し方ないところ。むしろ、前が開いていれば二着争いくらいはできたんじゃないか。馬券を外したのは悔しいが、狙ったことに悔いは無かった。
 しかし、アドマイヤドンユートピア。そろってゲート出たがらないとはなんたること。ドンは賢い馬というから「こんだけG1勝ったんだし、もう引退してセックス三昧の生活してぇよ」という意思表示なのだろか。ここらあたり、芝で気分転換の効果もなかったということだろうか。私は調教師にこういう作戦をおすすめしたい。馬房の前で厩務員とこんな会話をするのだ。「このままではろくに競馬をしないから、いっそのこと去勢してしまおうか」と。いや、けど、引退でもいいかな。でも、この変な個性派はもうちょっと見たい気もするしな。馬券買ってた人にはたまらんけどな。