不断桜とは何か

goldhead2005-03-29

 「憂鬱な昨日に猫キック 不安な明日に猫パンチ」(http://spica.tdiary.net/20050324.html#p07)にて、「不断桜」なる存在を知った。リンク先によれば、「この桜は11月に満開を迎え、冬の間も咲き続けて、春に再び満開を迎える」だとか。果たしてこのサクラ、何者なんだろうか?
 検索すると、上のリンク先である京都大原三千院近くのものではなく、三重県鈴鹿市のものが出てくる(http://www.kobemap.com/sakura/s_data/046.html)。国の天然記念物になっており、これが‘不断桜’の原木になっているようだ。他に、大阪の造幣局の桜のリストにも名前が見え、繁殖も行われているようだ。
 学名は検索しても見あたらなかったので、本をあたる。山渓の『日本の桜』(ASIN:4635061914)によると、ヤマザクラオオシマザクラの雑種としており、学名はPrunus lannesiana 'Fudanzakura'としている。また、同様に長いあいだ開花するサクラとして四季桜(Prunus x subhirtella 'Semperflorens')などもあるらしく、こういったサクラは開花期の珍しさから各地で珍重され、その土地その土地で名前が付けられているとのこと。四季桜を六千本植えてる村もあるようだ(http://www.vill.obara.aichi.jp/sikizakura/sikizakura.htm)。春以外に咲くサクラといえばジュウガツザクラPrunus ×subhirtella 'Autumnalis')くらいしか知らなかったが、いろいろあるもんだ。
 半ば常識の話だろうけど、園芸品種は全てクローンみたいなもの。品種物が万が一受粉、結実して、種から新しいサクラが育ったところでそれはもう別の品種(雑種)。ここらあたりの純血具合は、サラブレッドの配合よりさらに厳しい話だ。とはいえ、○○系だとか配合だとか、やっぱりサラブレッドの血統にも相通ずるものもあるな。そういや、園芸品種名と馬名も近いものがあるな、洋の東西を問わず。だから俺は、どうも植物の話となると品種の話ばかりになってしまうのだろうか。もっとゆったりした心で花を愛でたいものですね。