サンデージャポンについてもう一つ

 昨日のサンジャポには見かけぬゲストが一人居た。朴一という人で、白真勲の後釜としてそのポジションに座ったのだろうか。中国の反日デモか何かの話題の後で(途中でチャンネルを変えたからよくわからない)、ステロタイプにきつめの発言をしていた。そして、次にエロ牧師の話題。これは犯人が在日コリアンなので、朴一氏としては、道義上関係なくとも触れにくい話題だろう。……と、思いきや、唐突にガッと食いついてきたから驚いた。牧師のエロ行為ではなく、実名を報道するマスコミに対して。曰く、出自と犯罪を関連づけようとする目的だ。永田という通名で報じればいい、と。
 そりゃ確かに犯罪は個人やその組織の犯罪であって、血統の罪ではない。しかし、そういうもんじゃないでしょう。名前もまたその犯罪者の名前であって、在日コリアン全体の名前ではないのだから。犯罪自体について一切触れず、そのことを糾弾する姿勢には、違和感を覚えずにはいられなかった。
 俺はマンコから出てみたらたまたま日本だった日本人だ。一方、在日コリアンの人は、マンコから出てみたらたまたま日本だったが、たまたま日本人ではなかった。そのねじれた境遇がいかなるものか、気軽に同情できるような複雑さではないように思える。しかし、それを差し置いても、上のような発言には異を唱えたい。あるいは、世間に広く訴える意見ではなく、内輪へのアピールなのかもしれないが、それでも一緒だ。
 この手の話題は、ネット上のそこかしこで真っ当なものから唾棄すべきようなものまで見受けられ、その上に自分が何か書くべきことは無いようにも思える。しかし、上でエロパウロの事に触れた以上、一応つらつら書いておく。しかしなんだ、朴という人も、いくら一生懸命何かを論じようが、あの席に座った以上「サンデー・ジャポン」の「サンジャポファミリー」というキワモノの一員になってしまうわけで、出自などより今後のアイデンティティについて考えてみた方がいいかもしれない。