タイガー&ドラゴンの感想

goldhead2005-05-16

 まさしく泣き笑いの真骨頂。金曜の記憶となるといかに好きなドラマとはいえちょっと思い出すのに一呼吸必要ではありますが、今回についてはそんな必要もなし。古田新太清水ミチコの二度目の舞台はまさに見事の一言。最初の舞台はとちったのに笑いそうになったりするのを単に笑っていたのでありますが、いや、最後の舞台は迫真でございました。そして、小虎の噺の最後のアップから遺影への転換、独房でのボケ……。この泣き笑いの同居、不思議なバランス、この骨太さがクドカンの魅力なんでありましょうか。高田亭馬場彦、いや、高田文夫も今朝の日刊スポーツでまたまた誉めておりました。
 しかし、骨太な一方で小技とテンポのセンスも忘れちゃいけません。例えば竜二の部屋。青山だからね、というわけでズンズン進む先のボロボロアパート。ここらあたり、山手だからね、という私のアパートに近いものがあるかもしれません。しかし、私の部屋にはリュウさんは住んでいませんのでご安心を。そう、いきなり飛び出た次長課長の河本。なぜか裸でお得意の中国人役はハマリ役。しかし、「龍さん」ではもう一人ドラゴンが増えてしまうと思いきや「劉さん」なのでした。一方、落語のシーンでも唐土(もろこし)の厩火事エピソードで、出演者の面々はついにゼンジー北京風中国人役までやるのだから大変だ。前回の回想シーンどころじゃないですよ。はたしてどこまでやってくれるのか。
 てなわけで拍手喝采の回なのでありました。またまた来週も楽しみなので、焼酎に七味でもふって待っていましょうか、エイドリアン。